第六章 颶風の巫女
第7話 颶風騎士(ラファエル)
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十香「それでーー枕投げをして寝てしまったのだ」
士道「はは……そんなことをしてたのかよ」
二人はたわいもない会話をしていた。
なんというか、さして意味のない会話を交わしているだけだというのに、何となく気分が楽になってきた。
十香「それでシドー。一体、何があったのだ?」
士道「……っ、何って……」
十香「……具体的にはわからんのだが……何か、あったのだろう?当麻も……」
士道「な、なんでそうだと……」
十香「その……シドーが悩んでいる感じが……ええと、あの時、狂三のときと少しだけ似ていたような感じがしたのだ」
士道は目を見開いた。
時崎狂三。己の意思で人間を殺す最悪の精霊。
先月、その少女の本性を知り、現実を打ちのめされ、そして十香の言葉に救われたのだった。
士道「もしかして……そのために俺を連れ出してきたのか?」
十香「む……まあ、その、なんだ。シドーと話したかったのも本当だぞ?」
そしてーーすごく、嬉しかった。
だから、
士道は決心した。
士道「なあ、十香。聞いてくれるか?」
十香「む?うむ、何でも聞くぞ」
その言葉を聞いて士道は首肯してからゆっくり話し始めた。
耶倶矢と夕弦のこと。
二人は精霊で争ってること。
そして負けた方は命を失ってしまうこと。
そして、耶倶矢が夕弦を、夕弦が耶倶矢を選べって言われたこと。
十香「なんと……それでは耶倶矢と夕弦は……」
士道「ああ……お互い、相手を生かしたがってるんだ。たとえ自分の自我が消えてしまっても生きててほしいって思ってるんだ。それで……どうしていいのか分からなくなってな……」
十香「では当麻も……」
士道「ああ。俺と一緒で、悩んでるはずーーー」
と、
その瞬間。
前方から地面を踏みしめるような音が響いた。士道が驚いて見上げるとそこにはーー
八舞耶倶矢がいた。
士道「耶倶矢……?」
耶倶矢「今の、何?」
静かにーーでも激しい憤怒を混ぜながら声を発してくる。
耶倶矢「夕弦が、私を……?はっ、意味わかんない」
独り言のように耶倶矢が歯を噛み締めた、その時、
士道「……ッ!夕弦……!?」
背後からハ舞夕弦がやってきた。
夕弦「復唱ーー要求。耶倶矢が……夕弦を選べと、そう言ったのですか?」
士道「夕弦、話をーー」
『ふざけるな……ッ!!』
瞬間、二人が怒号にも近い声を出すと同時、二人から凄まじい風圧が発せられた。
士道「うわっ……ッ!?」
十香「く……!」
それと同時に耶倶矢と夕弦の衣服が変わっていく。
霊装。精霊を護る絶対の
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