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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
二話 高町家の現在(いま)
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んな話の中でも微笑ましさを感じてしまう。
そんな事を思って居ると、ヴィヴィオがパッと顔を上げた。
「でも、大丈夫!今は嫌われちゃってるけど……やっぱり私のお兄ちゃんだもん。私は、仲良くしたいから!」
「そっか」
笑顔で、そう言い切ったヴィヴィオに、フェイトは微笑む。隣にいたなのはもまた、その声に勇気付けられるように嬉しそうに娘を見た。
「そうだね……」
その愛娘を見る瞳はどこか眩しそうで、けれどもその胸中を少しだけ察して、悲しさが混じる。
彼女も、もう10歳。同年代の子供達と比べでも聡明なこの娘は、きっと既にクラナの態度の意味に……彼が彼女を、嫌い、恨んでいる事の意味に、気付き始めているだろう。おそらくだが、徐々に苦手意識も生まれ始めている筈だ。本当の意味でヴィヴィオがクラナを苦手に、最悪嫌いになってしまったらその関係を改善する事は困難だ。しかし……
『どうしたら……』この四年間をクラナと共に過ごして来た。その中でも、解決策は未だに見つからない。
何故クラナがヴィヴィオを嫌い、なのはを避けるのか……分かってはいる。しかしその原因にどう向かい合えば良いのか、クラナにどう踏み込むのが正しいのか……あるいはそもそも踏み込むべきではないのか。なのはもフェイトもあるいは彼女等の周囲の友人、仲間達も、誰一人としてその問いに答えが出せずに居る。
結局の所、堂々巡り。何時も考えては、答えを出せずに、話は自然消滅してしまう。
問題がデリケートで有るからこそ、下手にクラナの心に踏み込めば取り返しの付かない事態になってしまいねない。いや。あるいは取り返しの付かない事態を彼は起こしかねない。そう自分に言い聞かせて……言い訳をして、なのはは問題を先送りにする。
きっといつか、やがて、いずれ、楽観的だと感じつつも、クラナを信じる事を自らの中で決めているフェイトは、踏み込みすぎる事をしない。長期戦の構えで、じっくりと機会を伺う。
「あ、そだ、ヴィヴィオにお知らせがあるんだった……」
「へ……?」
思い出したようになのはがそう言うと、彼女はフェイトにウィンクをして、彼女達二人の娘へのサプライズの話が始まる。数分後にはまた元の明るい三人が戻って居ることだろう。
二人の母の行動は、一見すると同一だが、しかして互いの奥に眠る根幹となる意志はほぼ逆の物で有ると言えた。
どんな家庭にも、問題の一つや二つは有るように、高町家に取ってはクラナが、そんな問題の一つと言えた。
――――
『相棒、偶にはまともに受け答えしたら如何ですか?』
クラナにアルの念話が届くが、クラナはそれをスルーして階段を上る。
『相棒〜』
『……あぁ、もう分かったよ。アルが言いたい事はよーく分かった』
『なら実
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