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Bistro sin〜秘密の食堂へいらっしゃいませ〜
sin(罪)の厨房.1
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.1
ここは、街の外れにある小さな隠れ家のレストラン。
誰もやってこないのではないか?
と思うほど、辺りは静まりかえっている。
しかし、今日も店は刻々と開店の準備を整える。
「CLOSED」の看板が「OPEN」にひっくり返る時間も近づいてきている。
店の名は『Bistro sin(罪の食堂)』
平泉は、賢太郎を店の中へと案内する。
「さぁ中へどうぞ。足元に気をつけて下さいね。」
短い階段を少し降りると、温かい灯りが店内のカーテンから漏れでていた。
平泉が扉を開けると、カランカランと心地のいい鐘の音が聞こえた。
賢太郎が店の中に入ると、厨房から六人白い料理服を着た人が出てきた。
歳を取った人もいれば、若そうな人や、平泉くらいの歳に見える人もいる。
みんな、賢太郎を物珍しそうな目で見ながら、小声で何かを話している。
50歳くらいに見える男が口を開いた。
「シェフ、その子が新しい従業員かい?」
平泉はまたニコリと笑いながら答えた。
「そう、彼は山田 賢太郎さん。皆さん、彼に仕事をしっかり教えてあげてくださいね。」
「はーい。」
全員がバラバラと返事をしてから、平泉は賢太郎に目を向けた。
「さぁ、賢太郎さんも皆さんに自己紹介をしてください。」
賢太郎は、平泉がシェフであったことなどあっという間の展開にキョトンとしながらも、自己紹介を始めた。
「や、山田 賢太郎です。えーっと…さん付けはあまり慣れてないので、君付けか、呼び捨てでお願いします。えっと、それから…あまり料理が得意というわけではないので、皆さんのお役に立てるかわかりませんが、精一杯‥」
賢太郎が言いかけてる途中で平泉が口を挟んだ。
「あーっ!賢太郎さん!…じゃあなくて賢太郎くん。君にやってもらいたい仕事は調理じゃないんだ。」
賢太郎は再び、キョトンとしてしまった。
「君にやってもらいたいのは…」
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