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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第4部 誓約の水精霊
第3章 指輪
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僕は君以外の女性がもう、目に入らない」

モンモランシーはようやくギーシュの方を向き、すっと、ギーシュに左手を差し出す。

ああ、とギーシュは感嘆の声を漏らし、その手に口づけをした。

「ああ、僕のモンモランシー……」

ギーシュは唇を近づけようとしたが、すっと指で制された。

「その前に、ワインで乾杯しましょう。せっかく持ってきたんだから」

「そ、そうだね!」

テーブルの上には、ワインの瓶と陶器のグラスが二つ置いてあった。

ギーシュはそれらを携えて、モンモランシーを呼び出したのである。

ギーシュは慌てて、ワインをグラスについだ。

すると、モンモランシーはいきなり空を指さした。

「あら?裸の女性が空を飛んでる」

「え?どこ!どこどこ!」

ギーシュは目を丸くして、空をくいるように見つめている。

なーにーがー、『君以外の女性は目に入らない』よ、やっぱりこれを使わなきゃダメねと思いながら、モンモランシーは袖に隠した小瓶の中身を、ギーシュの杯にそっと垂らした。

透明な液体がワインにとけていく。

モンモランシーはにっこりと笑った。

「嘘よ。じゃあ、乾杯しましょう」

「やだなぁ、びっくりさせないでくれ……」

と、ギーシュが言った瞬間、目の前で旋風が起こった。

ギーシュは驚き、転んでしまった。

しかしてそれは、ウルキオラであった。

「なんだ!きみはぁ!!」

ギーシュはすぐさま立ち上がり、ウルキオラに近づいた。

なんだか、焦げ臭いにおいがする。

ギーシュは視線を下に下した。

なんと、ウルキオラの右手の皮膚が爛れ、血が滲み出ていた。

「どど、どうしたんだね!その腕は!」

ギーシュは大声で叫んだ。

ウルキオラはギーシュの言葉で、自分の右腕を見つめた。

思っていた以上に、腕が爛れていた。

未だに血が滴り落ちている。

そこで、ウルキオラはあることに気が付いた。

しまった、というような顔で後ろを振り返る。

顔を歪めた。

地面には所々に血の跡が残っていた。

響転は、一瞬で移動したかのように見えるが、実際には空間を経由して移動する。

なので、血が地面に落ちるのは必然なのである。

どんなに早く動こうとも、霊力の足場を作らなければ、重力には逆らえないのだ。

ルイズはこの血の跡を手掛かりにして、後を追ってくるだろう。

先に超速再生を用いて回復させておくべきだったと後悔した。

そんなウルキオラの姿をみて、モンモランシーが心配そうに顔を覗き込んだ。

「どうしたの?その先に何かあるの?」

モンモランシーはウルキオラの見つめている先に視線を移した。


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