第4部 誓約の水精霊
第3章 指輪
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んのよっ!あんたたちっ!」
「ひいいいいいっ!」
そこにいた人物が振り向いた。
果たしてそれはふとっちょのマリコルヌであった。
「ママ、マリコルヌ?」
「ルイズ!」
マリコルヌは走って逃げ出そうとしたが、動揺してしまい、足がもつれたのか床にすっ転んだ。
「あ!んあ!あ!ふぁ!ああ!」
マリコルヌは絶叫しながら床をのた打ち回る。
ルイズは鬼の形相で、マリコルヌの背中を踏んづけた。
倉庫には古ぼけた鏡があった。
『嘘つきの鏡』である。
醜いものは美しく映し出し、美しいものは醜く映し出す。
魔法の鏡である。
マリコルヌはその鏡に己を映し出して、悦に浸っていたのである。
とんだお笑いである。
「なにしてんのよ…あんた」
「いや、あまりにも悔しくて…」
「悔しい?」
「そ、そうだよ!ギーシュにはモンモランシーがいるし、君の使い魔の…ウルミオラ…だっけ?…にはあの厨房のメイドがいる!でも、僕にはガールフレンドがいないんだぁああああ!」
「ウルミオラじゃなくて、ウルキオラ!」
ルイズは目を吊り上げた。
「そ、そっか。ウルキオラか…。ああ、彼から指輪を貰っていた時のメイドの顔は、それはもう、絶景だったな〜。だから、その思いよすがに、せめて鏡に自分を映して……、ああ、僕は……、なんて可憐な妖精さんなんだ……。ああああああッ!」
マリコルヌは絶叫した。
ルイズがその顔で足を踏んづけたのだ。
「おだまり」
「あ!ああ!ルイズッ!あ!ルイズ!君みたいな美少女に踏まれて、我を忘れそうさ!僕の罪を清めてくれ!懺悔させてくれ!こんなとこで可憐な妖精さんを気取って、我を忘れた僕の罪を踏み潰してくれ!あ!あ!んんぁああああああああっ!」
そのままルイズはマリコルヌの顔をぐしゃっと踏みつけ、気絶させた。
「ええ、どうかしてるわよ。あんた」
はぁ、はぁ、はぁ、と怒りで眉を上下させ、ルイズは呟いた。
「あのメイドがそんなにいいわけ?冗談じゃないわ!」
拳をぎゅっと握りしめ、ルイズは唸った。
「もう!ウルキオラの奴!どこ行ったのよ!」
その後、ルイズは火の塔に向かった。
既に日はどっぷりと落ちていた。
階段の踊り場に来たが、誰もいない。
暫くすると、足音が聞こえてきた。
ルイズはすかさず、近くにあった樽の中に身を潜めた。
杖の先端で樽に穴をあけた。
外を見えるようにするためである。
暫くすると、白い服と仮面を身に着けた人物が上がってきた。
ウルキオラである。
やっと見つけたと思って樽から飛び出そうとした。
しかし、ある声によってそれは
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