第4部 誓約の水精霊
第3章 指輪
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くれる気になったんだね!」
「わかったから、出てって!用事の途中だったんだから!」
はいはい出ていくとも、きみがそう言うならいつでも出るさ、と、ギーシュはぴょんぴょん跳ねながら部屋を出ていった。
モンモランシーは、鏡に自分の姿を映してみた。
右手の人差し指に嵌った指輪を指でなぞる。
「……綺麗」
思わず顔が緩む。
ギーシュはわざわざ、これを自分のためにあつらえてくれたのだ。
うむむむ……。
あんな風に好きだ好きだ言われて、そりゃまあ気分は悪くない。
もともと付き合ってたのだから、嫌いではないのである。
「どうする?許しちゃう?」
でも、かつてのギーシュの浮気っぷりを思い出した。
再び付き合ったって、同じことの繰り返しじゃないかしら。
もう浮気でやきもちするのはこりごりである。
どうしよっかなー。
と考えているうちに、調合していたポーションのことを思い出した。
引き出しを開ける。
先ほど隠した、香水の小瓶に入った秘薬が見えた。
モンモランシーは首を傾げて、考え込んだ。
うーん、いい機会だし……。
効果のほども試せるし……。
このポーションが完成したら、ちょっと使ってみようかしら、とモンモランシーは思った。
翌朝、教室内でルイズはあんぐりと口を開けた。
モンモランシーの嵌めている指輪に見覚えがあったのだ。
ルイズの席は三列からなる、真ん中の後ろから二番目。
モンモランシーの席は、左側の前から二番目。
モンモランシーが自分の席に着くとき、必ずルイズの席の横を通ることになる。
ルイズはモンモランシーより先に教室に入っていたので、モンモランシーが自分の席に向かう途中に、右手の人差し指に、それが嵌っているのを発見したのだ。
モンモランシーの右手を見つめた。
あれは確か、ウルキオラが街で買った指輪ではないか?
ルイズは隣で本を読んでいるウルキオラをつついた。
最近になって、ようやくウルキオラはルイズの隣の席に腰を掛けるようになった。
「ねえ、あれってあんたが買った指輪でしょ?どうしてモンモランシーが嵌めてるのよ」
「ギーシュが寄越せと言ったからだ」
そういえば、ギーシュとモンモランシーが付き合っていたことを思い出した。
「どうしてギーシュにあげたの?」
「ヨリを戻したくなったらしい」
ルイズはあ〜あ、なるほど、と思った。
そして、それと同時に、ある疑問が浮かび上がった。
「あんた、シエスタに渡すために買ったんじゃなかったの?」
「一つでいいと言われた」
「だから、余ったのをあげたの?」
「ああ」
ふー
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