暁 〜小説投稿サイト〜
ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第4部 誓約の水精霊
第3章 指輪
[3/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
おいおいおい、と廊下でギーシュが泣き崩れた。

「わかった。そんな風に言われては、僕はこの場で果てるしかない。愛する君に、そこまで嫌われたら、僕の生きる価値なんて、これっぽっちもないからね」

「勝手にすれば」

ギーシュみたいな男が、振られたぐらいで死ぬわけがない。

モンモランシーはつれない態度を崩さない。

「さて、ではここに……、せめて、君が暮らす部屋の扉に僕が生きた証を残すとしよう」

ガリガリガリと固い何かで扉をひっかく音が聞こえてくる。

「な、何するのよ!やめてよ!」

「愛に殉じた男、ギーシュ・ド・グラモン。永久の愛に破れ、ここに果てる……、と」

「と、じゃないわよ!もう!」

モンモランシーは扉を開けた。

ギーシュは満面の笑みを浮かべて立っていた。

「モンモランシー愛している。大好きだよ!愛してる!愛してる!」

そして、ぎゅっと自分を抱きしめてくる。

一瞬、モンモランシーはうっとりしてしまった。

ギーシュはとにかく「愛してる」を連呼してくる。

ポキャブラリーが貧相なせいなのだが、そのセリフを何度も言われると、悪気はしないのであった。

それからギーシュは、持っていた包みをモンモランシーに手渡した。

「……なにこれ?」

「開けて御覧。君へのプレゼントだよ」

モンモランシーは包みを解いた。

それは、例の指輪であった。

ウルキオラ経由で貰った指輪を、魔法を用いてモンモランシーの人差し指の太さに合わせたのである。

ギーシュは、仲良くなった女の子のあらゆるサイズを暗記しているのである。

「指輪?」

モンモランシーは眉をひそめた。

「嵌めて御覧?似合うはずだよ。君の清純さが何倍にも増幅されるから。ほら、はやく」

モンモランシーはしかたなく、その指輪を嵌めた。

よく見ると、綺麗な指輪である。

真ん中に嵌めこまれた緑色の宝石が、窓から差し込める月明かりに反射して、何とも言えぬ幻想的な雰囲気を醸し出していた。

それを見たギーシュの顔が、ぱぁっと輝いた。

「ああ、モンモランシー……、やっぱり君は清純だよ。僕の可愛いモンモランシー……」

呟きながら、ギーシュはキスをしようとした。

すっと、その唇をモンモランシーは遮る。

「モンモン…」

ギーシュは思わず、ウルキオラの発した名を呟いてしまった。

悲しげに顔が歪む。

「勘違いしないで。部屋の扉は開けたけど、こっちの扉は開けてないの。まだ、あなたとやり直すって決めたわけじゃないんだから。あと、誰がモンモンよ!」

ギーシュはもう、それだけで嬉しくなった。

脈があるのである。

「僕のモンモランシー!考えて
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ