10話
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は戦闘だけでなく調査にも活用できる。
懐に飛び込んだ四季が蛇腹剣を伸ばしてバイザーの両腕を切り飛ばしたのを見た瞬間、完全に四季の勝ちを確信しているのかカツキングとクロスファイアは退屈で欠伸までし始める始末だ。
「はぐれ悪魔って、何?」
「ああ、それはな……」
先ほどの言葉の中で浮かんだ疑問を詩乃はジャッキーに問いかける。
「悪魔の中には他の種族から転生した『転生悪魔』ってのが居る。そいつらを転生させる為に使う道具が『悪魔の駒』だ」
「イーヴィル・ピース?」
「ああ、何でもチェスの駒をベースに作られて、全部で15の駒が有るそうだ」
そう言って兵士が8、騎士と僧侶と戦車が2、女王が1と具体的な数を教えられる。
「キングが足りない気がするけど、チェスの駒と同じって訳ね」
既に詩乃の中に脅えは無い。……四季の戦う姿、その後姿を見ているだけで恐怖を振り払ってくれる。
「ああ、それでそれを作った奴が、四季が大嫌いな二人の魔王の一人で『アジュカ・ベルゼブブ』だ」
四季曰く、『己の作ったものに責任を持たない下衆な科学者』と評される魔王の一角。そもそも、四季がサーゼクスとアジュカを嫌っている理由がそもそも悪魔の駒に有る。
「まあ、大昔に有った戦争で天使も悪魔も堕天使も数を減らして、悪魔は悪魔の駒を使って、人間や妖怪、ドラゴンって言った他の種族を悪魔に転生させて数を増やしたって訳だ」
其処で話を切ると、
「で、だ。その悪魔の駒を貰った上級悪魔に悪魔にされた転生悪魔が、主を裏切ったり、主を殺したりして逃げたのが《はぐれ悪魔》って訳だ」
そんな事を話している間に四季を押し潰さんと巨体を持って踏み潰そうとする。
(それにしても、やっぱり似てるよな……“あいつ”に)
四季には悪いと思いながらも、クロスファイアは今この場に居ない自分の弟分の姿と四季をダブらせてしまう。あいつが此処に居れば、兄弟のように仲良くなれただろうに、そう思わずには居られない。
「この小虫がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「うるせぇんだよ、獣が!」
バイザーが雄叫びを上げて巨大な足で四季を潰そうとするが、巻きついた蛇腹剣が一瞬で切断と焼却を行い足の一つを焼失させられる。
「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
続け様に残った三本の足も同様に切断・焼失を行い、四本の足全てを失ったバイザーの体が崩れ落ちる。
真上に振り上げた四季の腕から伸びる炎の蛇腹剣を竜巻状に高速回転させ、擬似的な火炎竜巻を作り出す。同時に圧縮させ火炎竜巻の熱量を高めていく。
「あっ……あっ……」
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