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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
~恋慕と慈愛の声楽曲~
Bittersweet Day
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れた。
あの世界の神に。
あの世界の影に。
出会わされた。
それは決して偶然などではなく、すべて計算づくの必然の出会い。
《魔女》は《人》を惑わし、心を魅せる。
マイが持つ《自衛機能》は接触した者の心を弄くり、自身に都合のいいように書き換える。具体的に言えば、重大な庇護心を植えつけるのである、
手を切り飛ばされれば蹴り殺す。
脚を切り飛ばされれば噛み殺す。
頭を切り飛ばされれば呪い殺す。
そうまでして、守る。
守って、護って、まもり尽くす。
それほどの庇護心が植えつけられるのだ。
それは魔法なんてお上品なものではない。
それは《毒》。
致死性ではなく、時間とともに荒縄で首を締め付けられるような中毒性を帯びた凶悪な毒。
その毒を一片でも吸った者は、マイに尽くし、マイの身を守ることに身を捧げないといられなくなる。彼女と同じ存在であるカグラ自身から見ても、心の奥底からおぞましいと断言できる。
もうそれは自衛などという範囲にはとどまらない、圧倒的な何か。
心意
(
インカーネイト
)
システムを使っての現象でも、《精神感応》は最上級の難易度を誇る。そもそも、意思が生み出す力が他者の心に干渉するという時点で何か色々ブッ飛んでいる気がする。
たった一人の少女に出会っただけで、心が変わる。
歪む。
捻じ曲がっていく。
だから、カグラは『愛』を信じない。
それがどれだけ薄っぺらいものかということを知っているから。
それがどれだけ信じるに値しないということを知っているから。
あの《魔女》は、出会ったもの全てを狂わす。
自分が剣を捧げている現在の主は、その魔性に当てられていながら正気を保っている稀有な例である。いや、わずか二ヶ月と少し前は確実に正気ではなかったか。しかし、それにしてもマイに会った瞬間にただの少年に戻ったのだから解らない。
だがそれこそ、その事実こそ、カグラは心底から怖い。
勝手かもしれないが、狂気に堕ちている者に比べてまだ正気を保っているということは、まだ堕ちる余白が残っているということだ。残っているのは白なのではなくて、これ以上ない真っ黒なのだけれど。
己が剣の主の手前、確かにカグラはマイの世話をしている。破天荒な主のストッパー役も担うことも多いため、不本意ながら周囲から保護者と冗談混じりに呼ばれることもあるが、その呼び名はカグラは身震いするほどに気持ちが悪くなる。
おそらく自分は、この小さな真っ白な《魔女》の所業を、この世で最も多く、最も近くで目撃してきた者なのだから。
者ではなく、物なのだから。
そんなカグラに、だからアスナの言葉は深い思考を否が応にも促した。
レンを―
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