修行編 その五
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がぶつかり合い火花が散る。
最近では勉強と勉強の間にこうやって鈍らない程度に訓練している。
俺達がいるのはいつもの山や森などではなく荊州にいる。
その水鏡塾という私塾に泊まり込みで勉強している。
事の発展は約四ヶ月前。
山で修行している師匠がこう言ったのだ。
「縁よ。
お前は学の方はどうなっている?」
「学ですか。」
「そうだ。
お前は皇帝になるのだろう。
確かに武力も必要だが馬鹿では王になれないぞ。
それでお前は頭の方はどうなんだ。」
師匠にそう聞かれるが俺は何も答える事ができない。
冷や汗が俺の頬を伝う。
はぁ〜〜、と大きなため息を吐いて師匠は言った。
「学もない状態でよく皇帝を目指すと言ったものだ。」
完全に呆れた顔をしている。
それもそうだろう。
王を目指すと言っておきながら、武の方は順調でも学の方がからっきしの状態だ。
これでは皇帝になるなんて無理だ。
一応、父さんから読み書きの練習くらいしかしていないのでそれ以外は全く駄目だろう。
師匠は少しだけ考えてから言う。
「縁、出立の準備をしなさい。」
「どこに行くつもりですか?」
「荊州に行く。
そこに私の知り合いが私塾を開けると言っていてな。
今からそこに行ってお前の面倒を見て貰う。」
「修業はどうするのです?」
「氣に関しては大体分かってきただろう。
構えや基礎体力の方も大方できている筈だ。
勉強の合間に鈍らない程度に修行すればいい。
何より、今は学が必要だ。」
打ち合いの修行をやめて、師匠は出立の準備を始める。
いつもはゆっくりと旅をしている俺達なのだが、珍しく師匠の馬に二人乗りして荊州を急いで目指す事になった。
幸いにも修行していた場所から荊州はそれほど遠い所ではなかったので、馬を走らせれば夕方頃に着く事ができた。
師匠は街の人に水鏡塾がどこかを聞いて、教えて貰った場所へ向かう。
当然、俺はその後をついて行く。
数分くらい歩いて、一つの家についた。
大きく看板には水鏡塾と書かれている。
家の扉から何人か少女が出て行く。
それを女性が手を振って見守っていた。
師匠はその女性に近づき話しかける。
「彗華。」
その声を聞いて女性は師匠の方に振り返る。
「烈じゃない。
どうして此処に?」
「お前に頼み事があってな。」
「話は中でしましょう。
ちょうど塾も終わった事だし。
後ろの子は?」
「私の弟子だ。」
女性が後ろに立っている俺に視線を向けて言う。
それを見て軽く頭を下げる。
「その頼み事。
どうやらその弟子さんにあるみたいね。」
「さすがだな。
全くその通りだ。」
軽く笑い
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