主人公の資格 そのB
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に会議を開き、現在の人里の運営システムに落ち着いたという。
わずか3週間前の話である。
* * *
博麗霊夢のスタンド、『レッド・ホット・チリ・ペッパー』は『お金』を食べた霊夢に寄生する形を取っている。そのため彼女は電気を身に纏い、様々な行動を光速で行えるようになっていた。
こいつに関わるのはやばい。回復しつつあった妹紅は霊夢がこちらに来る前にジョルノを崩れた棚の山から引っ張り出し、その場から逃げようとするが――――。
「金を払わずして私から逃げるとはいい度胸ね」
「・・・・・・くっ!!」
店から出ると妹紅の逃げようとした方向に霊夢は先回りしていた。
「今、払えるような金は持っていない!」
「そんな理由が通用するほどこの経済社会は甘くないわよ」
妹紅は何とかこの場を突破する方法を考えていた。やはり博麗霊夢は桁違いに強い。逃げる以外の方法が見つからないが、相手は光速で動けるのだ。
(・・・・・・詰んでないか? 私たち)
おそらくこの様子から察するに霊夢は自分たちから搾り取れるだけ搾り取るだろうと予想できる。私の全財産ならまだしも、ジョルノ――――つまりは永遠亭まで散財するのは駄目だ。
捕まるわけにはいかないが、にっちもさっちも行かなくなってきた。
「とりあえず、大人しく捕まりなさい・・・・・・。あんたたちは人里にとって害悪でしか無いわ」
電気を迸らせながらジョルノを背負う妹紅に近付いていく。彼女からすれば今の妹紅は取るに足らない敵だ。全ての能力が倍以上の性能を誇る彼女の『スタンド』に為す術はない――――。
「・・・・・・い」
「・・・・・・!? じょ、ジョルノ? お前、今・・・・・・」
妹紅の耳元でジョルノがかすかに声を出した。霊夢には聞こえない大きさだが、ジョルノを背負っている妹紅には普通に聞こえていた。
だが、彼の言葉はこの状況に全くそぐわない、意味不明な『提案』だった。
「お願い・・・・・・します・・・・・・。たぶん、・・・・・・アイツの弱点が分かったん・・・・・・だ」
ジョルノの胸部分の皮膚は大きく爛れていて『そんなこと』をすれば万が一の可能性さえもある。しかも妹紅はいまいちその意図が分かっていない。
「お前、そんなボロボロで・・・・・・しかも可能性の低い作戦を実行する気か!?」
妹紅の額から汗が噴き出す。
「はい」
「死ぬかもしれないんだぞ・・・・・・!?」
彼女の声は震えていた。
「百も・・・・・・承知です」
「『生きる』か『死ぬ』かの賭けをッ!! 言うに及んでこの『私』に任せるってことなのよォォーーーーーーッッ!?」
「そうです」
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