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俺の名はシャルル・フェニックス
終幕と不死鳥
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り声を立て地面を踏みにじる。

次第に飽きたのか、ふぅ…と息をはいて、落ち着きを取り戻す。

痛め付けてくれたお礼は十分にした。

宝涙で回復したあと真っ先に動けないように水でできた飛ぶ刃で足を切り、リタイヤになるまで散々蹴りなぶったのだから。

それでも気に入らない。

最後まで睨み付けてきたその眼が。

むしゃくしゃして不機嫌になりながらも、椅子に腰を下ろす。

まぁ、でも、それも長くは続かないだろう。

何故なら、そろそろゲームも終わるだろうから。

いくら鬼才と持て囃されていても所詮は11歳。

戦車1、騎士2、僧侶1、兵士8とかなりやられたが、そろそろ体力や魔力も切れて投了するはずだ。

「ふふっ」

ヴィレーネはつい笑みをもらした。



◇◆◇◆◇


『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの戦車1名、リタイヤ』

『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの僧侶1名、リタイヤ』

最初は上手くいってた。

けれど……

『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの騎士2名、リタイヤ』

『ヴィレーネ・アンドロマリウスさまの兵士3名、リタイヤ』

『シャルル・フェニックスさまの兵士1名、リタイヤ』

『シャルル・フェニックスさまの女王1名、リタイヤ』

理子と白雪がリタイヤした。

作戦をミスったか。

いや、王でいることに拘りすぎたんだ。

俺が全力をだして、恋を白雪のところにいかすべきだった。

「クックック、ああ、面白」

敵の女王が気味の悪い笑い声をあげた。

「何が言いたい?」

俺だって休んでたわけじゃねぇ。

二人のフォローをしながらもちゃんと敵の女王をリタイヤ寸前まで追い込んでいる。

「これ、見覚えあるでしょ?」


そう言って敵の女王が取り出したのは――


フェニックスの宝涙だった。

なるほど、だから白雪は負けたわけか。

実力なら、白雪が負けるはずがねぇ

とは思ってたんだよな……

今までのヴィレーネの公式戦の映像から研究して、ヴィレーネ自身の力は精々中級悪魔の中の上くらいしかないことはわかってた。

だから、白雪なら、多少眷属が残っていても倒せると判断していた。

星伽候天流は持久戦に向かない。

たぶん力をほぼ使い果たしたところで宝涙を使われて反撃されたか……

フェニックス家が完全に相手の味方してやがる……

宝涙は伯爵家の長女ごときが二つも使えるほど出回ってない。

それに黒歌の罠が効かなかった件もある。

黒歌の罠の試行錯誤は家の庭でやってたからな。

どっかで監視がついていてもおかしくはない。

そうか。親父。

そこまでやるか。
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