終幕と不死鳥
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たようだ。
光となって消えていきのを二人確認した。
途端に恋が氣を体に漲らせ突撃する。
狙いの戦車2名に向かってだ。
俺も女王を抑えるため翼を羽ばたかせて低空飛行で近寄る。
俺と恋を迎撃しようとした氷弾などの魔力での攻撃や水の魔法での攻撃は黒歌の魔力弾に阻害、牽制され容易に相手に近づくことができた。
「よぉ、女王さま。お相手願うぜ?」
ここまで飛んできた勢いもプラスして蹴る。
みえみえの攻撃なので腕をくんでガードされるが、問題ねぇ。
俺の目的は女王を俺に集中させることだからな。
さて、どうなるかねぇ……
◇◆◇◆◇
西側のルートを白雪は駆けていた。
ヴィレーネが東にいると思っていた白雪の姿は実は黒歌の作った偽物であり、理子が敵の兵士を逃げて引き付けているのは、白雪を無傷で敵の本陣に通すためである。
森を通れば罠に襲われて無傷とはいかない。
だから、東側のルートで王であるシャルルを囮に使い、黒歌の妖力の3分の1も使ってバレないほど高度な偽物をつくり、あたかも、東側のルートが本命であり、西側は理子単騎での陽動と思わせた。
本当は西側が本命であるとも知られずに。
そして、ここまで力を温存してきた白雪は――――
激怒していた。
「シャルちゃんと婚約なんてェ……羨まけしからんことォ…………」
シュコォ、シュコォという呼吸音を何故か幻聴してしまいそうなほど白雪は激怒した。
暴君ディオニスに激怒したメロスでさえ裸足で逃げ出してしまいそうなほどに。
魔王様が引いてしまうほど激怒した。
シャルちゃんを私"たち"から奪う?
愛してすらいないのに?
お金なんかのためだけに?
私"たち"はこんなに愛しているのに?
ふざけるな。
シャルちゃんは物じゃない。
自分を着飾るための装飾品じゃない。
シャルちゃんは私たちの大切な者だ。
一緒に笑い、一緒にいるべき大切でかけがえのない存在だ。
奪うのなら、守ってみせる。
例えそれが神であろうが、魔王であろうが、龍であろうが、関係ない。
奪うのなら、守る。
奪う存在は燃やし尽くしてやる。
白雪は敵の本陣へとたどり着いた。
敵は油断してるのか、まだ白雪の存在には気がついていない。
好都合だ。
白雪はその髪に留めていた白いリボンを解いた。
そして、ザリッと赤い鼻緒の下駄が地を踏みしめ、巫女服の白小袖を揺らす。
柄頭のギリギリ先端を右手だけで握り、刀の腹を見せるように横倒しにして、頭上に構えた。
そして、くッ、と白雪が手に力を込めると刀の先端に緋色の光が灯り、次第に刀全体に広がった。
「シャルち
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