プロローグ ~ディアボロが幻想入り~
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『死』。不思議な言語。死に続ける運命。
「・・・・・・クソっ、なにかわからんが・・・・・・ここは・・・・・・」
と、彼の耳に川のような水が流れる音が聞こえてきた。
(近くに川があるのか? ということは先ほどの予想死因に『溺死』も追加しなくっちゃあな)
ディアボロは周囲を警戒しつつ、歩いていくと、目の前に川があった。
「・・・・・・やはり、川だ。川縁から1メートル以上離れなくては、滑って落ちたら死んでしまう」
別段、流れが急なわけでも水深が深いわけでもない。子供が入っても大丈夫そうな川ではあるが用心に越したことはない。第一、人間は10センチ程度の水深があれば溺れてしまうのだ。今の彼ならば子供用のビニールプールでも溺死する自信があった。
(そんな自信、さっさと捨ててしまいたいのだがな)
ディアボロは川の流れている方向に向かって歩きだした。
しばらく歩いただろうか。彼はあるものを発見した。
「あれは・・・・・・橋か?」
近付くと正に彼が予想したものだった。川の両岸を渡すために作られたのだろう。木製で出来た橋だ。
「・・・・・・道が伸びているぞ。つまり、この橋は誰かがこちら側の道に続くところとあちら側の道に続くところを行き来するために作られているというわけか」
そう呟き、彼は橋を調べようとしたとき。
「そっから先は地底よ、お兄さん」
橋の中腹に何者かが突然姿を現した!
「・・・・・・ッ!? だ、誰だッ!」
ディアボロは橋から距離を取り声の主に大声で尋ねる。
「うるさいわね、妬むわよ・・・・・・。まぁ、初対面だし外来人っぽいから答えてあげるけど」
声の主は気だるそうに呟き立ち上がった。すると、橋の上の人物に呼応したのか、橋周辺が急激に明るくなった。
「――――ウッ、ま、眩しい!?」
突然の光源に目を眩ませながら、ディアボロは橋の上にいる人物を見た。
(・・・・・・女、か? 外見からして『幼女』ではないが、少女に近いことに変わりはないな・・・・・・。何をされるか分からん。警戒は怠ってはいけない・・・・・・)
額の前に腕を据えて目に光が直接入らないようにしつつ橋の上の人物を確認する。
「私は水橋パルスィ。地上と地底を結ぶこの橋を守る者よ・・・・・・というか、ここは滅多に人が来ないから守るというか暮らしてるだけだけどね・・・・・・あぁ、地底の町に住む奴らが妬ましくなってきたわ」
「ミズハシ・・・・・・? 珍しい名字だが生まれはどこだ?」
「珍しいこと聞くわね。日本よ。決まってるじゃない」
「ニホン・・・・・・ジャッポーネか?」
ここが日本であることを知ったディアボロは(では今俺が話している言葉も日本語なのか・・・・・・? 一体何がどうなっているんだ)とただただ疑問符を浮かべるばかりだっ
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