第3章
月光校庭のエクスカリバー
第82話 終演
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笑顔を見て、俺達はその場に崩れ落ちてしまった。
ああ、明日夏と千秋が絶望に崩れ落ちてしまった。
まあ、無理も無いか。
去年までの授業参観はそれはホントにもう冬夜さんと千春さんのテンションが上がりまくりで、明日夏は終始頭を抱えてたな。
放課後に合流した千秋も全身を真っ赤にしてたっけ。
まあ、二人とも冬夜さん達が来る事自体は嫌じゃないし、むしろ嬉しいんみたいなんだけどな。
「……二人とも、心中は非常に察するわ」
「……ええ。非常によく分かります」
あれ、なんか部長と会長が二人を慰めてる。
そんな奇妙な光景を見た後、ふと木場の方を見てみる。
何やら神妙な顔をしていた。
よし!
明日夏と千秋の事は部長と会長に任せ、俺は木場の下へと歩み始める。
「……終わった…」
そう呟いた後、僕はバルパー・ガリレイの遺体を見る。
「……いや、あの男の研究を引き継いだ者がいる。まだ、僕の戦いは…」
「やったじゃねえか、イケメン!」
「イッセー君」
「へー、それが聖魔剣かぁ。綺麗なもんだなぁ」
イッセー君が興味深そうに僕の持つ剣を覗き込む。
「……イッセー君、僕は…」
「ま、細かい事は言いっこ無しだ」
僕の言葉を遮り、イッセー君は笑顔で口にする。
「とりあえず、一旦終了って事で良いだろ?聖剣もお前の同士の事もさ。ああ、なんかいろんな事がありすぎてさ、今は考えるのもメンドクセーや」
イッセー君はやりきったかの様に身体を伸ばしていた。
「木場さん」
今度はアーシアさんが話し掛けてきた。
「また、一緒に部活できますよね?」
「アーシアさん…」
神の不在を知り、とても辛いはずなのに、それでも僕の事を心配してくれていた。
「傷は大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ありがとう」
彼女に安心させる様に言う。
「祐斗」
「部長」
「よく帰ってきてくれたわ。それに禁手(バランス・ブレイカー)だなんて、主として誇らしい限りよ」
「………」
僕は部長に頭を垂れる。
「部長、僕は部員のみんなを…何よりも一度命を救ってくれた貴女を裏切ってしまいました!お詫びする言葉も見つかりません…」
「でも、貴方は帰ってきてくれた。それだけで十分」
「……っ…」
「みんなの想いを無駄にしてしまっては駄目よ」
僕は再び頭を垂れる!
「部長!僕は改めて誓います!僕、木場祐斗は眷属、騎士(ナイト)として、貴女と仲間を終生お守りします!」
「ありがとう、祐斗」
頭を垂れる僕を部長が優しく抱き締めてくれた。
「コラッ!部長から離れろ、イケメン!」
「イッセー君!?」
「俺だって兵士(ポーン)じゃなくて、騎士(ナイト)になって、部長を守りたかったんだぞ!」
イッセー君は怒り顔から一転して笑顔で告げる。
「でも、お前以外
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