戦いの中で
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とセイバーの片手が握り締められていた。しかもこっちからどんなに力を入れても全く動かない程の腕力だ。つまり、剣は止まっていたのではなく止められていたのだ。このセイバーの腕力だけで……。
「やはり素人か……踏み込みが甘い。太刀筋も並以下。スピードも遅い。これではまともに戦うことすらできないぞ」
セイバーはそう言った瞬間、足を勢いよく振り払った。同時に、俺の視界がグラついた。気付いた時にはバタンと音を立てて俺は地面に倒れていた。動く暇もなく目の前に剣先を突きつけられ、なす術がない状況になる。これで一回勝負がつく。
「いてて……」
セイバーは自分の大剣を俺から退けるともう片方の手で手を差し伸べてくれた。
「足元がガラ空きだ。視野をもっと広くしなければ相手の攻撃に対応できんぞ」
悪い、と言いながら俺は差し出された手を掴んだ。なんとか立ち上がると、背中に付いた埃をある程度払う。
「さて、これで一回死んだな」
言葉のチョイスが些かアレだが、まぁ確かにこれが本当の戦場だったら俺は死んでる。彼女は剣を担ぎながら俺から離れる。ある程度まで距離をとると、俺へと視線を向けた。
「では再開するぞ」
なかなかハードな修行だ。相手が戦いのプロなだけにこっちの攻撃を簡単に去なしてくる。これは一筋縄ではいかない。俺は再び礼装の『守り刀』を装備し、構える。
死ぬ気でやるしかない。生き残るために。
「ああ、頼む!」
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