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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
プロローグ 少年は戻り、真の物語が始まる
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れからはお前の物語になるけどな」
そう言うと、紗華はどんどん落ちていく。まるで、死ぬかのように。
「お前にはいろんな人がいる事を覚えておけよ……
全
(
ぜん
)
……」
そう言って、紗華は全てを諦めたかのようにそっと目を閉じた。
(何だ……?)
少年……
高宮
(
たかみや
)
聖
(
ひじり
)
は振り返る。そこには先ほどまでと同じように銀髪の少年が倒れ伏している。
しかし、彼の手が僅かだが動いている。
いや、彼はそれに驚いてはいない。
彼が驚いているのは……目の前で倒れている彼が出している雰囲気が先ほどまでとは全く違うものになっているからだ。
それを証明するかのように、彼の髪の色が黒くなっていく。
まるで、そちらが本当に色かのように……銀色が塗りつぶされていく。
そして先ほどまで銀髪だった髪を黒色に染めた少年が……立ち上がった。
黒髪の少年は立ち上がると、まず手を二、三回握る。
そして体の各所を触り始めた。
「何をしたいのかわからないな。さっきまでの銀髪は染めてただけだったって事か」
聖は何か言っているが黒髪の少年……全の耳には届かない。
(記憶の通り、年齢は9歳……筋力が少し落ちているか。まあこの程度は誤差の範囲内だな)
と、全は首に掛かっている筈の相棒がいない事に少し慌てたが直前の記憶を思いだし、目の前にいる少年の手を見る。
そこには紛れもない、自身の相棒がいた。
「聞こえているか、俺のデバイス」
『マイスター…?マイスターなんですね!?』
全のデバイスは感極まったかのような声で確かめる。
「ああ、そうだ。待っていろ」
そう言うと全は少しだけ腰を落とす。取り戻そうとしているのだろう。
「そんな離れた距離からこれが取れるとでも思ってるのか?」
聖は余裕の表情を崩さない。
その余裕の理由としてはやはり距離が開いているからであろう。
全と聖の距離は低く見積もっても二十メートルは空いている。
この距離を詰めるには最低でも十秒は必要だろう。
しかし……聖が気づいた時には、
聖
(
・
)
の
(
・
)
手
(
・
)
か
(
・
)
ら
(
・
)
全
(
・
)
の
(
・
)
デ
(
・
)
バ
(
・
)
イ
(
・
)
ス
(
・
)
が
(
・
)
な
(
・
)
く
(
・
)
な
(
・
)
っ
(
・
)
て
(
・
)
い
(
・
)
た
(
・
)
。
「なっ!?」
聖は驚いて全の手元を見る。そこには先ほどまで自身が握っていたデバイスが握られていた。
「おかえり、元の名前に戻してやらないとな……個体名称、再登録。個体名ムーン・アサシン。愛称はシンだ」
『イエス、
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