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SAO−銀ノ月−
第七十三話
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りの守護戦士の狙いを自分に集中させる。

 さらに続けて緑色のカッターが守護戦士を襲うが、速度はともかくとして威力はなく、やはりレコン自らに狙いを集中させるという効果しか発揮されない。光の矢を短剣で弾きつつ、大剣をギリギリのところで避けてさらに守護戦士の群れへと向かう。なんとか直撃は避けているが、じりじりとそのHPが削られていく……群れを突破するまで保ちそうにない。

 そして遂に、守護戦士の群れの中心にまでたどり着く。しかし広範囲に魔法を撃ち込んでいったことにより、レコンの周りには群れの中心ということもあって守護戦士が跋扈していた。もはやどこかに抜けだす網目もなく、弓矢持ちの守護戦士は一斉に弓矢を引き絞る。

 しかし、守護戦士たちの中心でレコンは呪文を唱え始め、紫色の光とともに立体的な魔法陣がレコンの前に浮かび上がる。ここに来るまでに幾度となく見た、レコンが得意とする闇魔法の輝きだ。魔法陣はみるからに巨大化していき、グルグルと回転しながら守護戦士の群れを包み込んでいく。だが、その魔法陣には何の効果もなく、守護戦士たちの光の矢は正確にレコンを射抜くべく狙いをつける。

「どけぇ!」

 鍔迫り合いを演じていた守護戦士の大剣を側面から蹴り飛ばすと、がら空きになった胴体に日本刀《銀ノ月》を突き刺した。だが、レコンのどころへ行く前に光の矢が俺を妨害し、レコンに対しても光の矢が放たれる。それでもレコンはその魔法を止める様子はなく、周囲の魔法陣から紫色の光が灯り、その光がチカチカと点灯すると収束・凝縮していく。そして、放たれた守護戦士たちの矢がレコンを貫くか貫かないか、という瞬間に、恐ろしいほどの閃光がその空間を支配する。魔法陣全てからその閃光はほとばると、とてつもない光量に一瞬その目を奪われてしまう。

 目が慣れてきた頃、ようやくレコンがいた場所を見ると、何もない。文字通り、本当に何も――何もない。 あれだけいた守護戦士のことだけではなく、その大魔法を行使したレコンの姿すらも。

「レコン……ぐっ!?」

 自爆――その言葉が俺の脳裏に浮かんだ瞬間に、俺の耳に超音波のような振動が届き、反射的に耳へと手を当ててしまう。平衡感覚を失いながらも、何とか超音波の発生源を捜そうと天蓋の方を向くと、守護戦士の他に新たなモンスターが出現していた。先に現れたのが天蓋に張り付いた蜘蛛ならば、新たに現れたのは獰猛なる鷹が三体。

 鷹というと通例的には小さな種類のことを指すが、その鷹はケットシーのドラグーンほどの大きさもあった。口から平衡感覚を狂わせる超音波を発しながら、鋭い目で近くのプレイヤーを標的と見なしていた。守護戦士とは別の新たなガーディアンの登場に、無理やりその超音波に堪えて日本刀《銀ノ月》を構えなおすが、その鷹の出現に気を取られて光の
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