第4部 誓約の水精霊
第2章 忠誠と敬意
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だ。女はこういうのが好きなのだろう?」
そういって、ウルキオラは緑色の指輪をポケットから取り出す。
露店で買った指輪だ。
ルイズは、ああ、なるほど。
だから、あの時買ったのね、といった顔になった。
しかし、それと同時に怒りが立ち込める。
シエスタへの贈り物なんて、渡してたまるものかと思った。
「そんなことより、あんたには大事なことがあるでしょー!」
ウルキオラは全く理解不能といった顔である。
「なんだ?」
「相談したいことがあるのよ」
ルイズはベッドに腰掛け、しょぼんとした顔になった。
「相談?」
「そそ、ほら!」
ルイズはベッドをポンポンと叩きながら言った。
おそらく、座れと言いたいのだろう。
しかたなく、ウルキオラはベッドに腰かけた。
「それで?なんだ?」
「ほら、私って虚無の使い手じゃない?」
ルイズは小さい声で呟いた。
「そうだな」
「そのね、戦艦を落したときの虚無の魔法、『エクスプロージョン』っていうんだけど、あのときこっきり、それから何度唱えようとしても、途中で気絶しちゃうの。たぶん、精神力が足りないんだと思うんだけど…」
「足りないなら、寝て回復させればいいだろう」
ウルキオラは、そんなこともしらんのか、といった表情で言った。
「そのくらい知ってるわよ!でも、回復が遅いのよ」
「回復が遅い?それは違うな」
ウルキオラはベッドから立ち上った。
「どういうこと?」
「強大な力は、それ相応のリスクを伴う。この世界で言えば、それは精神力、つまりは魔力だ」
「うん」
「今さっき、『ロック』の呪文は成功しただろう?」
「回復の速度が問題じゃなくて、精神力の消費度が問題ってこと?」
「ああ。あの艦隊を落したとき、お前の放った魔法は、俺の『虚閃』より強力だった」
ルイズの顔が驚愕の色に変わる。
「レキシントンを落すには、最低でも三発の虚閃を放つ必要があった。それを、お前は一発で落した」
「そんなこと…」
「ないと、断言できるか?」
ルイズは黙りこくてしまった。
「あれだけの威力を持っているのだ。連発できないのは必然だ。つまり、強力な呪文を使うための精神力が溜まるのには、時間がかかるということだ」
「ということは、次、最後まで唱えられるようになるのは……」
「さあな。一週間か一月か、もしかしたら一年かもな」
「そんな…それじゃあ、姫様のお手伝いなんて……」
ルイズははぁ、と溜息をついた。
「一つだけ、今すぐにでもお前の精神力を回復させる術はある」
ウルキオラの言葉にルイズはがばっと顔を上げた。
「
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