第三話。富士蔵村の噂 後編
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ま使えば、テーマパークへの行き来は楽になるってわけだな。
今思えば、先日、俺達が訪れたトンネル。
あれも村に通じる為に作られたものだったのではないだろうか。
そう考えると、音央の話は彼女の歯切れこそ悪いものの、『そこに村があった』というのを裏付けるには充分な話しだったな。
そして、その話が噂されまくったのだとしたらそれが原因で『神隠しのロア』を生み出してしまったとしても仕方ない事なのかもしれないな。
『本当にあった都市伝説』しか載ってない『8番目のセカイ』で514件もあった検索結果。
あれはつまり、『神隠し』という現象は割と多く発生している、という意味ではないだろうか。
もしそうだとしたら……少なくても、近所で起きている神隠しは止めないとな。
「他に、その村の噂で覚えている事はありませんか?」
一之江は真剣な声で音央に質問していた。
一之江が真剣になるのも無理はないと思う。
『村系』のロアは厄介だとキリカも言っていたからね。
『ロア』を食べる『魔女』であるキリカが厄介に思うくらいのロアだから、その大変さは物凄いものなんだろう。
「うーん……そういえば、富士蔵村が廃村になった理由、色々尾ひれがついてたかな」
「尾ひれですか?」
「子供達の適当な噂なんだけどね。なんか、めっちゃ狂っちゃた人が村人を全員殺しちゃったとか、満月の夜に金色の獣が村に現れて辺り一帯を襲っちゃたとかなんとか。
そんな噂が流れていたのよ。
まあ、そんな事件があれば、でっかいニュースになってるはずだから、多分単なる噂だと思うんだけど」
……。
……そっか全員殺しちゃった、という噂が流れたのか。ジェイ○ン村みたいな感じだったのかな。
怖いなー。
……。
……駄目だ。話しの前半に集中して後半聞き流そうと思ったけど、聞き覚えがありすぎる子の話が出てきちゃったよ。
満月の夜に現れる金色の獣って……違うよな?
一之江や音央はそんな俺の内心には気づかずに会話を進めていた。
「まあ、廃村になった理由をおっかなくしたかったのでしょうね」
「うん、とにかく凄いものにしたがるもんね、子供って。当時は大人の中にも気味悪がって、怖がっていた人がいるみたいだったけど」
そして子供の噂だけではなく、大人にまで浸透してしまったのか。
確か、『ロア』が発生するシステムは人々の噂が広まりまくって世界が認識したら、だったな。
つまり、今俺達が目指している『富士蔵村』は……。
______大量虐殺や、獣の襲来によって滅んだ村、みたいになっているってわけだな。
「……しかし……大量虐殺があった噂や獣に襲われた噂がある村、ですか……」
一之江もその危険度を把握したらしく、音央越しに俺を見てきた。
出来ればそんな危険
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ