独段場(いいえ毒段場です)
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です」
シトレ元帥が溜息をつきながら俺を睨み付けて聞いてきた
「・・・どういうことだねフォーク准将?私は君がこの作戦を私的なルート通じて最高評議会議長に持ち込んだと聞くが」
「そのとおりです。シトレ元帥、小官は二つの目的のために今次作戦計画を最高評議会議長に持ち込みました」
「二つの目的?」
「はい。ひとつは現政権が軍事についてどれだけ真摯に対応しているのかあるいは玩具にしているのかを計るため。ふたつめは現政権が軍事的問題点についてどれだけ理解しているのかを計るため」
「ひとつめの答えは先程の録音にあった通り。ふたつめの答えは叩き台としての素案を問題点の洗い出しもせずにそのまま決定案にしてしまったこと。以上のことにより現政権は信用に値しないと小官は考えます」
「・・・まさか貴官はクーデターを考えているのか!」
「いいえ。ビュコック提督、120パーセント失敗するクーデターなんて参加したくもありません」
「はぁ?」
「クーデターを成功させるためには市民の賛同が必要です。首謀者への信用・信頼と言い換えても良いでしょう。しかし現在の同盟軍に対する市民の信頼は地に落ちています」
「なぜなら、『エルファシルの奇跡』『ヴァンフリート4=2後方基地』『グランドカナル号事件』等、ボロディン提督がおっしゃた「民間人を守る」や「友軍の後方基地支援」すら疎かにしているのにも拘らず、軍上層部は誰一人処罰を受けていない。それどころか各事案毎に英雄を作り上げ宣伝し市民の目をそちらに逸らし続けてきた」
「後方部隊でも国防委員長付きの将官が、『軍服を汚した』と言って民間時の少女に対して脅迫し、周りで見ていた他の将官は誰一人止めもしない始末」
「この状況では例え同盟軍首脳部の誰かが『自由惑星同盟のために立ち上がった』と主張したところで市民は誰も信じてくれませんし、賛同もしないでしょう。それどころか反発されて半年と持たずに失敗するのが落ちです」
グリーンヒル大将が渋い声で問いかけてきた
「では、貴官はどうするべきだと言うのだね」
「『今次作戦の明確な戦略的・戦術的目的がない』と言うことは、どのタイミングで撤退しても良いと解釈し大規模な「威力偵察」と位置づけて焦土作戦を確認したところで撤退。現政権には退場して頂き、新政権には軍事的問題点の認識を新しい同盟軍上層部と共有してもらうために積極的にアプローチすべきと考えます」
「そしてヤン提督には同盟軍の“顔”になっていただきます」
「え?ちょっ、ちょっと待って
「ヤン提督!提督は『エルファシルの英雄』なのです。その真価を提督は理解されていない」
「真価?」
「そう、『軍上層部の意向に逆らってでも民間人を救った軍人』という価値です。これは他の諸提督に
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