暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
ゆっくりと考えてみて
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!?お前自分の意思で里抜けしたじゃねえか」 
「シュロとイカリだよ
 ・・・あいつら、オレの音隠れの里潜入任務依頼書とかいう書類作ってやがった・・・」
「・・・なんか、こそこそしてると思えば・・・じゃぁお前も罪に問われないのか」

書類偽装したのかあいつら
でも、こいつの事だから里には戻らないんだろうなぁ
オレも戻る気はないけど

「だが木の葉に戻る気はねえ
 ・・・それはお前も一緒だろう」
「よくお分かりで
 そこに気づくとは・・・やはり天才か」

「何の話だ」

サスケと他愛もない話をして、最後にお互い手を振った
こいつとの別れはこれで良い
問題はナルトだ

「は!?
 なんで!?なんで帰って来ないんだってば!?」

ぎゃーぎゃーとわめくナルトの声をBGMに、どう説明したものかと悩む

言いたいことはいっぱいある
理由なんて山ほどある

・・・抹殺指令が出されて、命を狙われたからと言って、里を抜けたことは事実
それは忍として正しい事だろうか、いや、正しくない
抜けた人間が、抜けた里に戻ってはいけない
木の葉にこれ以上混乱を与えたくない

ナルトには、人柱力狩りのせいで迷惑をかけた
主人公だから死ぬことはないと、心の奥でそう高をくくっていた自分が恥ずかしい

・・・ナルトに、会わせる顔がない

どう説明したらいいのか分からなくなって、とりあえず当面の目標だけ告げることにする

「言ったろ、新しい夢を追うって
 ちょっと世界見てくる」

「・・・世界?」

「そんでオレを必要だって言ってくれる奴がいたら・・・まぁそこに行くさ」

世界を見て、自分の悩みをふっ切ってお前に謝れるようになったら・・・里に戻ろう
この虚弱体質がどこまで旅を出来るか、試してみるのも面白そうだ

「・・・オレ達と二度と会えないような場所でも?」

体質的に大陸の外には行けそうにないけどなぁ
いつかは帰るよ
お前に謝るために

「あぁ
 ・・・ナルト、オレはお前と二度と会わない
 皆が許してくれても、オレがオレを許せない
 操られていたとしても、お前と敵対したんだ
 オレはそれが許せない

 だから、ごめんなナルト」

許せるようになったら、ちゃんと会いに行くからな

「・・・っ!」

「よせナルト!」


背後でサスケとナルトの叫びが聞こえたが、そのまま走った

・・・ひと時だけでも、家族だったんだ
そんな相手と敵対したのが、許せなかった

オレの我が儘、これで最後だから

相変わらず吐血は止まないけれど、なんだかいつもより体が軽かった


走って走って、吐血がやばいことになるまで走って

ふと見上げた空の青さが、ナルトの
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