暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
ゆっくりと考えてみて
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           ――

光の粒子は消え、彼の姿は消えた
「邪神」が消滅したから、「邪神」によって体を与えられていた彼は、消えてしまったのだろう


「ゆっくりと、考えて」


言葉にすれば、胸に染み渡った
立ち上がり、祭壇に背を向けて歩き出す

一度だけ振り返って、彼が座っていた椅子を見た

誰もいなかった







「―――コン!」

地下の祭壇から地上に出れば、待ち構えた様にナルトが飛び出してきた
ナルトの後方には、サスケが柱を背に寄りかかっている

2人とも、ボロボロだ

ナルトは泣きながら手を差し出した

「帰ろう?木の葉へ帰ろう、帰るんだってば!」

「・・・イカリの術のお陰で、誰もお前を邪神とは見なくなった
 お前はただ寄り代とされた被害者だと、五影達も納得した
 ―――帰っても、罪に問われない」


ナルトもサスケも、オレに手を差し伸べてくれている


――あなたは何かの必要を満たすために――

――ゆっくりと、考えてみて――


脳裏に響くのは、アイツの言葉
ゆっくりと、何を考えろって言うんだ

「とりあえず帰ったらイカリたちの墓を作るってばよ!
 そんで、木の葉の復興して、ジャシン教の残党退治だってばよ!」

「ウスラトンカチが・・・どう考えてもコンの入院が先だろうが」

「あ、そっか
 木の葉だけじゃなく他国の治療方法も試してみるってばよ
 きっとコン長生きできるようになるってば!」


長生き、か

そういえば、どうしてオレは生きたかったんだっけな


「―――人生に執着する理由がない者ほど・・・人生にしがみつく、だったか」


誰の言葉だっただろう
シナイちゃんが引用してきたセリフだったのだろうか
聞き覚えがないけれど、ふと口に出して見る
生きるって、何だろうな

「・・・コン?」

目をまん丸に見開いて、ナルトがオレを見る
サスケはただ黙って、足元に置いていた荷物をオレによこした
それを受け取り、ナルトに背を向けた

「いつか言ったと思うが、オレの夢は、オレ達の夢は忍になることだった
 ・・・オレは忍になれた
 だから、新しい夢を、目的を追おうと思う」

「新しい夢・・・分かった!暗部の隊長になるんだってば!?
 オレが火影でコンが暗部隊長とか、木の葉の未来は明るいってば・・・
 あ、そういえばサスケが音隠れの里長になったんだってばよ!
 コン知ってたか!?」

「あ、そうなの?
 おめでと」

知らなかった
音隠れの代表とは聞いていたんだが、忍界大戦限定じゃなかったのか

「ありがとよ
 オレも木の葉へ戻れるんだがな」
「え、なんで
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