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あなたに会えて...
過去編:episode1
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はそのままだ。


「俺ぁ...もう、戻らねえって決めたんだ。薬を“受け取る”。あいつらと敵対したとしても、俺が加わらなければ問題無ぇだろ」

『本当にいいのか? それを選ぶと、お前の寿命はあと5年もない状態になるんだぞ?』

「...構わねえ」


 あのことを忘れられるきっかけになるかもしれない。
 そんな浅はかな考えで出した答えに、死神は何も言わずにいた。


『......分かった』





 今までの景色が消え去り、目の前には白い部屋に行く直前のまま、俺の返事を待つタカヤの姿がある。

 あの部屋と現実の時間の流れが違うってのは、以前に死神が言っていたとかだ。死神はあの部屋の中に住んでいるらしい。様々な『世界』で様々な月日を体験していた、とか。


「決まりましたか?」


 タカヤの声に我に返る。


「ああ。お前らに協力すれば、その薬をくれるんだな?」

「ええ、勿論です。ですが、些か驚きました。まさか、1度で協力すると言うとは思っていませんでしたからね...。嬉しい誤算とはこのことを言うのでしょうか」

「知るか」


 タカヤは「ふふふ」と笑う。それよりも、死神の悲観した眼差しの方が気になった。どこか諦めたような、呆れたような、そんな眼差しが俺たちに向けられていた。
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