過去編:episode1
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神は『ようこそ、時の狭間へ』と笑いながら頭を下げた。
見たことも、聞いたことも無いはずだが、どこか懐かしい気がした。
戸惑う俺の姿を見て、死神が笑ってやがる。
......なんか、ムカつくな。
死神は理由を言わねえ。笑って誤魔化されるだけだ。
そんな死神との妙な関係が、俺の運命を変えていくなんて考えもしなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
─《死神》side─
荒垣 真次郎。運命通りに進めば、こいつは死ぬ。
とある人間...『客』からの依頼で側にいることになったが、からかいがいのあるやつだ。今までの『あいつら』と変わらない。
さてと、来年辺りで大きな“分岐点”があるんだが、それまでは暇だな。だが、イレギュラーが発生しないとは言いきれない。暇なのに気が抜けないのはしんどいな。
ーーおっと。この世界の説明がまだだったか。
ここは、1日の時間以外に隠された時間がある。それが『影時間』。影時間は、適性が無い普通の人間には感じられないがために、隠された時間だと言われている。
もうすぐ影時間だ。5...4...3...2...1......。
長針、短針、秒針全てが1つに重なると、辺りの雰囲気がガラリと変わる。緑色の空。明るい月。オブジェのような不均等に並べられた棺。電気は止まり、灯りは1つも無い。これが、影時間だ。
ん? 俺は適性があるのかって?
さあ? どうなんだろうな。そもそも、俺はこの世界の住人じゃない。そのせいで、影響を受けないのかもしれない。もし影響を受けていたとしたら、俺もその辺の棺の1つになっていただろう。ごく稀に、影時間に迷い込む人間がいるらしいが、そいつらは死人か廃人になるんだろう。
影時間に現れる怪物『シャドウ』。普段は『タルタロス』と呼ばれる巨大な塔の中にいるんだが、たまにイレギュラーがそこ以外に現れることがある。奴らは人間を襲い、亡き者にするか精神を破壊するか...。
それを阻止すべく荒垣は戦っていたんだが、己の力不足のために一般人を巻き込み、死なせてしまった。
荒垣は、自ら進んで力を使うのを止めた。それが奴の最初の選択。
これから沢山の選択肢を突き付けられるだろう。突き付ける本人が言うのもなんだが、気の毒だなぁ...。
◇◆◇◆◇◆◇◆
─荒垣side─
死神と出会って1年が過ぎた。
今日も変わりなく影時間はやって来る。1つ違うのは、怪しげな格好をした3人組を連れて来たことぐらいだ。
俺や元仲間たち以外にも適性があるなんて思ってもみなかったが、目の前に現れたってことは、それが事実ってわけだ。もしかしたら、こいつらにも俺と同じような力が...?
「は
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