第六章 颶風の巫女
第6話 二人の想い
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」
夕弦「説明。そんな耶倶矢の方が夕弦よりも遥かに優れているからですよ。当麻も耶倶矢の可愛らしさはよく知っているはずです。多少強がりなところはありますが、一途ですし、面倒見はいいですし……きっと耶倶矢を選べば、いろいろやってくれるはずです。是非、耶倶矢を」
上条「ちょっと待てよ。そんなことしたらお前がーー」
夕弦「耶倶矢こそ真の八舞に相応しいです。耶倶矢は魅力的です。選ばない道理はないはずです」
上条「だって、お前らあんなに争ってたのに……」
夕弦「解説。耶倶矢はああ見えて恥ずかしがり屋です。たたきつけてあげないと自分からはあんなアピールできません」
上条「いいのかよ、お前は……!」
夕弦「はい。確かに自分の人格が消えてしまうのは寂しいです。凜袮と話せなくなるのも残念です。ですが、それ以上に耶倶矢に生きてほしいのです。耶倶矢は夕弦なんかよりもずっとこの世界を楽しめるはずです。だからーー是非、耶倶矢を選んでください」
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その後、士道のところに夕弦が、上条のところに耶倶矢がそれぞれ二人きりで話し合っていた。
内容は言わなくても分かるだろう。
士道と上条は、予想外の二人の言葉に、何も言えなかった。
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もう一人の自分を生かすために自分の消滅を選ぶ。
もし、士道が自分の命を投げ出さねば、妹である琴里が死ぬとしたら……
もし、上条が自分の命を犠牲にしなければインデックスが死ぬとしたら……
間違いなく二人は首を縦に振るだろう。
だから、夕弦を想う耶倶矢の気持ちも、耶倶矢を想う夕弦の気持ちも痛いほど分かる。
いや、それどころか、むしろ耶倶矢と夕弦がお互いをこんなにも思い合ってることがわかって嬉しかったのかもしれない。だけど……
十香「シドー!!」
突然、耳元で大声を発せられた。
士道「うおっ!?十香……いつからそこに……」
十香「随分前から隣を歩いておったぞ。どうしたのだ二人とも」
士道「二人……とも?」
今一緒にいるのは十香だけで士道以外にそのもう一人(恐らく上条のことだろうけど)はここにはいない。
十香「今日、当麻は夕飯を食べにこなかったぞ。何だか気分が悪いとか言って……」
士道「………そうか」
士道と同じく、悩んでいたのだろう。
と、十香は小さく唇の端をあげ、士道の手をぎゅっと握ってきた。
十香「シドー、よかったら少し外へ行かないか?」
士道「え……?」
十香「その……せっかく修学旅行に来たのに、なんだかあまり話せてないだろう?だから……二人でお話したかったのだ。駄目……だろうか、」
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