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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第四十七話 「守りたい」と「守るべき」
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「滅びない道なら拓かれたはずです! 源霊匣(オリジン)という道が!」
「イバル。それは道とは呼ばない。当てどない道など砂漠と同じだ」

 イバルが詰まった。

 ミラにそう思われるのも仕方がない。源霊匣(オリジン)の普及を、今この時点で心から信じられるのは、実際に源霊匣(オリジン)で暮らしていた私とフェイくらいだろう。

「滅びないためだけの世界で生きる民が、本当に幸せだと思うのですか?」

 イバルを見かねたのか、クレインが口を開いた。

「貴女方の望む世界の在り方は、籠の中の鳥を美しいまま飾っておこうとしているようです」

 ローエンもクレインに加勢する。

 ミラとミュゼは視線を交わし、また私たちに向き直った。

「ただ存在し続けるだけの世界。それは貴方たちには無意味に思えるでしょう」
「だが、意味がなくても、使命がなくても、理由がなくても、己の心一つで生きていけるのが人間だ」

 ミラを囲んで地水火風の四大精霊が顕現した。今さらだが、ミラがこうなっても四大精霊はミラの味方というわけか。20年もかけて大事に育てた娘が相手なら、まあ、当然か。

「使命がなくても生きていけるなら、ミラもミュゼもそうしていいんですよ!?」『もーヒドイことしないで仲直りしよーよー!』
「それは無理よ。私もミラも、人間じゃないもの」
「人と精霊の共存を望むくせに、精霊であることを逃げの理由にすんのかい? お二人さん」

 言いながら、すでにアルヴィンは大剣と銃を出して臨戦態勢。

「異邦の民よ。そちらの世の行く末を託します。どうか佳い未来へ進まれますよう」
「いけ好かねえ顔しやがって」

 ジランドが源霊匣(オリジン)を取り出してスイッチを入れた。()(そく)の立体球形陣の中からセルシウスが舞い下りる。

「『それ』は見捨てる側がする目だ」
『私たちは貴女たちの行いを認めない』

 ミラがついに〈次元刀〉を構えた。構え方がガイアスと同じなのは、どんな歴史の因果か。

「もはや語る言葉はない。力で押し通せ。お前たちの意思を」

 ああ。結局はそれが一番手っ取り早い。お望み通りねじ伏せてやろう。いびつな姉妹よ。
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