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Fate/Fantasy lord [Knight of wrought iron]
太陽のような氷
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、そこらにあった棒切れでアイシクルフォールの展開図を地面に描き説明する。
「君のアイシクルフォールとやらは、左右から扇状にこちらを追い込むような法則で動いていた。そこだけ見れば一見強力な布陣かもしれないが、君は正面に対する牽制をおろそかにしてしまっていた。多少無茶をすれば簡単に懐に入り込めてしまうんだよ」
「そ、そんなことない!あれはちょっと手加減してただけだ!」
「ふむ、ならば本気のときはどうするのか是非ともご教授願いたいものだ」
「そ、それは―――」
バツの悪そうに口ごもる。
気のせいか、目元も多少潤んでいるように見える。
別に手口を語りたくない、と言えばそれで済む問題なのだが、どうにも彼女は素直すぎる。
少しからかっただけなのに、なんだこの申し訳なさは。
「意固地になるのもいいが、時と場合を選べる能力は身に付けておいた方がいい。意見を片っ端から否定していては、悪いところは一向に改善されないぞ」
諭すように少女に語りかける。
形容しがたい表情で固まりながらも、話を聞いてくれている辺り、ある程度の納得は得られた様子。
「悔しかっただろう?自信を持って作ったスペルカードがあっさり看破され、あまつさえ破った相手にそれを指摘されたとなれば、屈辱の極み。もう二度とこんな気持ちになりたくないのであれば、小耳に挟むだけでもするべきだ」
「――――――わかった」
長考の末の決断は、私を満足させる答えとなった。
………まったく、私と言う奴は、まったくもってお人好しだな。
「その前に確認したいのだが、君の氷を出せる範囲はどこまでかね」
「うーんと、これぐらい」
私との距離を離し、大まかに説明する。
だいたい五十メートルといったところか。距離的にはたいしたことはないが、範囲内ではいきなり死角から襲われる可能性もあると考えると決して侮れない。
もしかすると、彼女は一工夫するだけで化けるのではないか?
「了解した。では、説明するぞ」
少女と距離を詰め、今度こそ話を始める。
私が出した提案はこうだ。
先程左右から放たれた扇状の氷柱の弾幕。それは左右と表現してはいたが、真横からではなく実際は斜め前からの攻撃である。
必然的に逆Y字型に迫ってくるそれだが、受ける側の背後ががら空きだ。
そして、先程決め手となった真正面からの攻撃が無いという点。
この二点を改善するだけで、突破が困難な布陣と化すだろう。
「先程の扇状の弾幕を、私の背後に同様に展開するのだ。そうすれば私を中心に十字型の隙間しか残らなくなる。生物は視覚範囲外の対しての動きに疎い。余程研鑽を重ねた者にはその限りではないが、それでも拘束するという点では十分意味を成すであろう。そして単純に自身の正面から直線に弾幕を
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