第十七話
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「あの、とりあえず理由を聞いてもいいですか?」
俺はとにかく理由を聞く事にした。
理由もなにもなく、俺や、ましてや元素精霊界の住人であるクレア達を呼びはしないだろう。
「はい、順を追って説明します。実は…」
要約すると、こうだ。
悪魔の上層部の方々がぜひ、元素精霊界の方々や悪魔を結果的には救ってくれた俺に挨拶をしたいと言っているらしい。
しかし、この手の話は今までサーゼクスさんの所で何とか止めていてくれたのだが……何でも俺がアザゼルさんから引き取ったヴァーリが決め手となったらしい。
旧とはいえ、ルシファーの血を引く者を冥界に連れてこいと半ば命令気味にサーゼクスさんに通達したらしい。
これにはさすがにセラフォルーさんも猛反対。他の魔王様方もさすがにやり過ぎだと反対。
ならばとせめてそのルシファーの血筋を持つヴァーリに会わせてほしいと言ったらしい。
そして、その際にこの際だから元素精霊界の方々も来てほしい……。
「……と、まあ。大まかな経緯はこんな感じです」
「俺たちが断るとは考えてないんですかね?」
これはまず俺が最初に思った疑問。
前提条件として、俺たちが行かなければこの話はなかった事になる。
それに俺たちの方から話を聞いてそれを聞いてなお行きたくないと言えば向こうも諦めてくれるだろう。
「いえ、絶対に連れてくるように、との事です」
「はぁ……」
多分だが……これを俺たちが突っぱねるとしよう。
とすると……自然に悪いのは俺たちを誘えなかったソーナ会長という構図が出来上がってしまう可能性が高い。
「行ってあげようじゃない!」
俺が返答に答えあぐねているとクレアが先に答えやがった。
「おい、ちょっと待てクレア。もうちょっと真剣に考えてだな」
「何よ、奴隷精霊の癖にご主人様である私に楯突くつもり?」
おい、このバカッ!
「「奴隷、精霊……?」」
ソーナ会長と偶然回復していた匙が同時に首を傾げる。
「ルビア先生、精霊には奴隷精霊などという種別もあるのですか?」
「というか、今ルージュ、イッセーに向かってその名前を言ったような……」
ルビアは口元を手で隠しながら笑い声を上げないように
「くくっ……いや、そうではないんだ。あれはそうだな……一種の事故でああなったんだ」
と、そう宣った。
「おい、待てルビア!それじゃ俺が悪い事したみたいじゃねぇか!」
「悪い事も何も……実際にお前が全面的に悪いだろう?麗しき我が妹の裸を見たのだから」
「「「「「「「「え……えええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!????」」」」
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