第3章 新たなる好敵手
第11話 運命の邂逅
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5月初頭。
部室に集められたデュエル部の5人は、楠田からとある決定事項を告げられる。
「練習試合?」
「そうだ。公式大会に乗り込む以上、同じ相手ばかりではいけないと思ってな。ついさっき、約束を取り付けた所だ」
「それで、相手は?」
「アルカディア・セントラル・スクールだ」
楠田の宣言に、5人は驚愕する。
「アルカディア・セントラル・スクールって……強豪校、じゃないッスか……」
「そう。現在HDC5連覇中。10人に聞けば10人が強豪校と答える学校だろう」
「そんな相手をいきなり指名したんですか……」
「当然だ。別に負けても構わない試合だと言うんなら、より強い相手と戦った方が学べる事も多いだろう」
「そんな単純な……それにしても、よくそんな強豪校が、ウチからの申し出を受けてくれましたね」
「ああ。セントラルにはちょっとした因縁があってな。なぁ、鬼島」
竜兵の方を見ながら言う楠田の表情は、悪戯っぽく笑っていた。
対する竜兵は神妙な、それでいてどこか気合の入ったような、そんな表情で言葉を継いだ。
「そうですね。昨年は部員不足で挑めませんでしたが、最後の1年、決着が付けられそうで安心しましたよ」
「鬼島先輩に因縁があるんですね」
「そうだ。今の向こうのエースは鬼島と同い年でな。一昨年、鬼島はギリギリの所で敗北した」
「まぁ、因縁と言っても、あれ以来会っていないんだけどな」
竜兵は自嘲気味に笑いながら言う。
「そう言う事なら負けられませんね。先輩、絶対勝ちましょう!」
「分かっているさ。俺だって、2回も負ける気はないからな」
「よしっ、話は決まったな。練習試合は来週の日曜を予定している。気を引き締めておけよ」
「来週の日曜か……結構ハードだなぁ……」
遊雅のその言葉に、亜璃沙と秋弥は頷いた。
しかし楠田は、その意図を理解できない様子だった。
「ん?何かあるのか?」
「あれっ、監督知らないんですか?今週の土日、1年は林間学校ですよ」
「あぁっ、そう言えばそうだったな!うむ……1年生諸君にとっては少しハードスケジュールになってしまうな……すまん、失念していたよ」
「いえ、まぁ、一応1週間は空いてるわけですし。大丈夫ですよ」
「そ、そう言ってもらえるならばいいが……」
亜璃沙と秋弥がどう思っているかは分からなかったが、遊雅にとっては、何もイベントがなく暇を持て余すより、むしろ色々なイベントが詰め込まれていた方がありがたかった。
「と、とりあえず、連絡は以上だ。よし、それでは今日の部活は終了だ。解散!」
「ありがとうございました!」
5人の部員は声を揃えて挨拶してから、それぞれの帰路に着く。
1年生の3人は途中まで同じ道なので、3人で固まって下校するのは普段通り
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