第十四話 幼児期M
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カルの魔法は、そういう属性に当てはめれば、一般的には無属性の魔法だ。けど、これに炎や氷の属性をつけ加えることはできる。属性を付け加えるには、魔力を変換して使用すればできるのだ。大変だけど。
この変換を、意識することもなく発動させられる魔導師がたまにいる。それが、魔力変換資質を持つ魔導師だ。つまり「炎」の資質があると、普通に魔力弾を撃っても、勝手に火炎弾に変わるのだ。すげぇ。まぁそのせいで、無属性の魔法を使うのは大変になるけど。それでも、メリットは大きい。
母さんは「電気」の魔力変換資質を持っているため、息子の俺にも使えないかどうか疑問に思ったのだ。もしも使えるのなら、ぜひ試してみたいことがある。
『しかし、いきなりどうしたのですか? 魔法のことですし、電気を使いたい理由があるのでしたら、僕も協力しますよ』
「大したことじゃないんだけどさ。……静電気を使って羊たちの毛を一気に上に立たせたら、面白い生き物が出来上がりそうだと思って」
『…………』
結局この日、コーラルが俺に協力してくれることはありませんでした。
「お、牛の乳搾り体験があるぞ」
「乳しぼりって?」
さらにぶらぶら歩いていると、牧場の片隅にぽつんと建てられている小屋があった。中には牛が何頭かおり、のんびりしている。先ほど目に付いた看板に目を向けると、やはり体験ができるらしい。……ん?
『牛の乳搾り 〜体験しません? 魅惑の感触をその手で感じながら〜』
「…………」
「お兄ちゃん? 看板に何か書いてあるの?」
転移。
「ふぅ。またつまらぬものを転移させてしまった」
『私有物勝手に転移させちゃ駄目でしょ!?』
後で妹と体験が終わった後に、元の場所には戻しておけばいいだろ。アリシアに内容聞かれたら、コウノトリ並みの夢物語語らないといけないだろが。いやだよ、そんなの。
とりあえず妹に乳搾りの内容を教えてみる。牛乳嫌いの妹は最初はえー、という感じだったが、体験はしてみたいらしい。乳製品とかは食べられるのに、牛乳は駄目なのか。俺にはその好き嫌いの基準がわからん。
あ、あれか? エビは嫌いだけど、海老フライなら食えるみたいな感じ? 機会があったら誰かに聞いてみよう。
「それじゃあ、早速体験するか!」
「うん!」
『あっ、ますたー。どうやら先客がいらっしゃるみたいですよ』
コーラルの言葉に、俺は小屋に向かっていた足を止める。本当か? それじゃあマナーとかに気をつけなくちゃな。小屋の中を覗くと、奥の方に確かに人影がある。先に挨拶しといたほうがいいかな。大人の人みたいだし、もしかしたらやり方教えてくれるかも。
もしものために、俺はアリシアに少しの間コーラルと待っておく
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