第十四話 幼児期M
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ゃ、これで問題解決だ。
「ん? そういえば、リニスはどこにいったんだ?」
『あ、そういえば静かでしたね』
羊の群れに流されたかと思ったが、即刻否定。あのにゃんこがそんな軟なわけがない。俺は羊の群れから抜けだし、辺りを見回す。すると、さほど時間をかけることもなくリニスを発見することはできた。
「……にゃ」
「……わん」
牧羊犬とエンカウントしていたが。
「……なぁ、コーラル。俺の目には、5歳の子どもでも抱えられてしまうぐらいの子猫と、すごく元気そうな大きめの犬がにらみ合っているんだが」
『はい、僕にも見えます』
「常識的に考えれば、子猫に加勢する場面だよな」
『常識的に言えば』
俺はもう一度、2匹に目を向ける。穏やかな牧場に佇む姿。風が静かに2匹の間を通り過ぎ、サラリと草が舞う。時間が経つにつれ、緊張感はさらに増しているように見える。
まさに一触即発。だが、俺たちは動けない。その動けない理由はただ1つ。
「……やべぇ、犬に加勢してあげるべきか。このままじゃ犬のプライドバキバキに折られるぞ」
『しかし、僕らが加勢したぐらいでリニスさんに勝てる気がしないのですけど』
「というか、そんなことしたら後が怖いよな。でもリニスに加勢すると、もはや弱いものいじめだし」
『止めるのも、僕らではきっと無理ですよねー』
テスタロッサ家での序列がよくわかる会話だった。
「つよくいきろよー、わんこ」
『ふれーふれー』
結論。俺たちはひっそりと応援することにしました。小声で棒読みになってしまったが、それは仕方がないということで。 応援はしたんで、決してただ見捨てた訳ではないよね。うんうん。
******
羊たちとたわむれた後、少し牧場を探検することにした。ちなみにもふもこ議論は、羊はもこもこにしようで話はまとまった。やっぱりもふもふクイーンであるリニスにこそ、ふさわしい言葉だと認識したからである。うん、奥が深い。
あっ、そういえばもこもこしている間に、ちょっと思いついたことがあったんだった。
「なぁなぁ、コーラル。魔法のことで少し聞いてもいいか?」
『魔法で? 珍しいこともありますね』
「いいだろ。それよりも俺ってさ、母さんみたいに電気に魔法を変換することができるのか?」
『ますたーがですか?』
今まであんまり気にしていなかったけど、実際どうなんだろう。フェイトさんも母さんと同じように電気を使ってたし。
「確かあれって、遺伝的なものが大きいんだろ」
『はい。なので、ますたーも魔力変換資質を持っている可能性は高いと思いますよ』
ゲームとか漫画で、火属性の魔法とか、氷属性の魔法とか呼ばれるものがあるだろう。リリ
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