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ドリトル先生と学園の動物達
第五幕その六
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「それが彼等の特徴だから」
「歯が生え替わることって便利ですね」
「実際にそうだと思うよ、ただ」
「ただ?」
「人間がそうなるとね」
 鮫みたいに歯が幾らでも生え替わると、というのです。
「ちょっと怖いかな」
「確かに。言われてみますと」
「そうだよね、便利でもね」
 それでもだというのです。
「怖いものがあるよね」
「あれは本当に鮫だけですね」
「そう、人間や他の生き物にはないよ」
 あくまで鮫だけの特徴だというのです。
「あれはね」
「そうですね、それと」
「それと?」
「一つ思うことは」
 それはといいますと、鮫の歯について。
「あの歯はもうナイフみたいで」
「鋭いね」
「確かにあの歯で噛まれたら大変ですね」
「顎の力も強いしね、鮫は」
「映画みたいなことが実際にありますね」
「鮫に襲われた話は実際にあるよ」
 先生もこのことをお話します、二人で晩御飯の後でちゃぶ台を囲んでお茶を飲みながらです、こうしたお話をするのでした。勿論動物の皆も一緒で老馬とオシツオサレツはお庭にいてそこから先生とトミーを見ています。
「けれどそれはね」
「それは?」
「鮫が襲うのは死体や弱っている人が多いんだ」
「映画みたいなことはですね」
「滅多にないよ」
 実際はそうだというのです。
「危険なのは事実だけれどね」
「ああして元気な人を襲うことはですか」
「あまりないよ、ましてやね」
「ましてや?」
「ボートの上に乗っている人を襲う様なことはね」
 そうしたことはといいますと。
「鮫はしないよ」
「映画ではありましたけれどね」
「映画は映画だよ」
 現実ではないというのです。
「そこは注意してね」
「ですね、映画は面白いですが」
「現実とは違う場合が多いよ」
「鮫のことにしても」
「そう、他の生きものにしても同じだよ」
 先生はトミーに温和な笑顔でお話するのでした。
「人間だって聞いた話と実際は違うね」
「そうですね、僕もそうしたことがありました」
「聞いた話と実際に会って感じたことが」
「違ったっていうことが」
「あったね」
「そうでした、だから鮫も」
「うん、映画の鮫はあくまで現実の鮫とは違うんだ」
 ああした人をボートの上にいても襲う様なことはというのです。
「現実の鮫には現実の鮫への注意が必要だよ」
「注意の仕方は色々ありますね」
「そう、そのことがわかっていればね」
「鮫にも安心出来ますね」
「知ることだよ、その生きもののことを」
 鮫に限らずというのです。
「そうすれば怖くないから」
「人もそれは同じですね」
「そうだよ、ただ僕はヤクザ屋さんはね」
 そうした人達はといいますと。
「苦手だけれどね」
「それは僕もですよ」
 トミー
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