A's編
第三十三話 前
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ちがいるアースラによって張られた結界のおかげで現実世界への影響はないようだが。
そんな説明を受けている最中、ある程度の状況を把握できたところで先ほどまで感じていた揺れがゆっくりと収まっていくのを感じた。収まった当初は、地面が揺れていないことに不安を感じる下船直後のような違和感を感じたものだが、やはり揺れていないほうが正常なのだろう、揺れに慣れるよりも早い時間で揺れていない状況に慣れることができた。
「収まった?」
「エイミィ」
確認するようにつぶやくはやてちゃんに続くようにクロノさんがエイミィさんに通信を繋ぐ。相手も状況がわかっているのだろう。いつものように軽い調子でエイミィさんから通信が返ってきた。
『はいは〜い、わかってるよ。状況はオールグリーン。なのはちゃんが作った結界内部の魔力反応も正常値だよ。そして―――』
そこで勿体つけるようにエイミィさんが言葉をいったん切る。姿は見えないけれど、エイミィさんが意地悪く言いたいことを我慢しているような笑みを浮かべている姿が脳裏に浮かぶ。やがて、あきれたようにクロノさんが大きくため息を吐き、エイミィ、と名前を呼んだところでようやく再び口を開いた。
『―――結界内部の闇の書の反応の消滅を確認っ!』
わっ! と上がる歓声がエイミィさんの後ろから聞こえた。こちらとしても一安心というところだろうか。黒さんとユーノくん、僕、はやてちゃん、アリシアちゃんがほぼ同時に安堵の息を吐いた。向こうとしては長年の脅威がなくなって嬉しいという感じだろうが、僕からしてみれば地球の脅威が去った安堵のほうが大きかった。
だが、そんな中で一人だけあまり表情が晴れない人物がいる。はやてちゃんだ。どこか申し訳なさそうに俯いたまま、小さく何かをつぶやいていた。その声は僕からは聞こえなかったが、あえて聞くこともないだろう。小さくつぶやいていたということは、彼女が自分の胸の内に収めていたいことなのだろうから。
さて、闇の書の決着がついたということは、ここにはいない彼女が帰ってくるということだ。どこから現れるのだろうか、と周囲を見渡してみると、少し離れた場所から人の大きさぐらいの光がうっすらと漏れているところがあった。まるでファンタジーの異世界の扉のような薄い光だ。
その光のカーテンのようなものをくぐるようにしてゆっくりと出てきたのは、白い聖祥大付属小学校の制服のようなバリアジャケットを纏いながら、大人モードから子どもの姿に戻ったなのはちゃんだった。よかった! と安心した気分になり、やったね、と声をかけようとしたところで、彼女の様子がおかしいしいことに気付いた。
普通どおり歩いているならわかるが、あくまでも今は海上で浮遊魔法を使っているだけだ。だが、それdもどこか疲れ切っ
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