A's編
第三十三話 前
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ユークくんもこれには苦笑しているようだ。もっとも、嗤うしかないという状況なのかもしれないが、僕にはわからない。なにか魔法を使われたようだが、その凄さを理解できるほどに知識がないということで、ぽかんとするしかない。
「アリシアちゃんはわかる?」
「うん、あの人………とんでもないね」
どうやら僕には理解できないことだが、記憶を取り戻したアリシアちゃんは、理解できるらしい。そういえば、彼女の本当の名前はフェイトちゃんだったはずだ。彼女の呼び名は変えたほうがいいのだろうか? 聞かなければならないのだろうな、と思いながらも、今聞くことだろうか? と少しだけ悩んでいたところで、不意にショウくん、と呼ぶ声で意識をそちらに向けた。
「なんや、私たちの出番ないなぁ」
すぅ、と飛びながら近づいてきたのは、仕方ないなぁ、という感じで苦笑するはやてちゃんだった。
そもそもの始まりは、はやてちゃんからだった。彼女からすべては始まっていた。だから、責任を感じていたのかもしれない。そのリィンフォースさんが作った甲冑を身にまとったのっも自分で決着をつけるつもりだったからかもしれない。だが、ふたを開けてみれば、魔法を使ったことがないはやてちゃんに出番はなく、後始末はすべてなのはちゃんに与えられてしまった。
意気込んでいたはやてちゃんからしてみれば、はしごを外されたようなものだろう。
「そうだね、なのはちゃんだけを危険な目に合わせるのは心苦しいけど………」
でも、彼女には実績がある。あのジュエルシード事件を解決したという確かな実績が。それは、中途半端な僕たちが手を出すよりもより確実な手段ではあったのだろう。なにより、時空管理局という僕たちよりも専門家であるクロノさんが認めているのだ。それに僕たちが異を唱えることはできない。
「言い方は陳腐だけど、なのはちゃんを信じて待つしかないのかな?」
「まあ、クロノさんたちもあんなやしな」
はやてちゃんに言われて、クロノさんたちのほうへ視線を向けてみると、彼はカード型のデバイスを片手に一生懸命状況を整理しているようだった。見ることはできないようだが、計器類が生きているのだろう。それで、情報を集めて推測している、という感じだろうか?
しかし、なのはちゃん、大丈夫とは言っていたけど心配だな。相手は爆発してしまえば、地球を軽く滅ぼせるレベルの存在だ。それに力があるとはいえ、たった一人で立ち向かうのは危なくないとは到底言えないだろう。確かになのはちゃんは、バカげた魔力を持っているかもしれないが、10歳にも満たない子どもなのだから。だからといって、対等に戦える大人がないのも事実なのだが。
なのはちゃんに任せるのは心情的には許せないが、事実としてそうするしかないという
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