A's編
第三十三話 前
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どこかに転生する」
「………ちなみに、その爆発の影響は?」
爆発の規模が小さななら放っておいてもいいんじゃないだろうか、というこれまでの経緯を考えれば、極めて希望的観測に過ぎないことを提案してみる。だが、現実というのは何時だって当たり前のことを当然の様にしか返してくれないのだ。
「そうだね………まあ、まず翔太君たちの日本はほぼ壊滅だろうね。闇の書が爆発した影響で発生した津波に沿岸部はすべて飲み込まれて、内陸の大部分も津波に浸食されるだろうし、それは周りの国だって変わらないはずだよ。ついでに、海底の塵も吹き上げられて太陽の光を覆い尽くして、最終的には氷河期の再来になるだろうね」
どうやら闇の書というのは核弾頭というよりも小惑星規模の爆発があるようだ。とにもかくにも、これでこのまま闇の書を放置しておくという手段はとれそうになかった。それよりも、何とかしなければならないという気持ちのほうが強くなる。
う〜ん、と唸る僕たち一同。視線は、海の上に浮かぶ黒い繭に集中している。あれを何とかしなければならない。しかし、その何とか、という手段がそう簡単に閃くわけもない。もし、簡単に排除する手段があるならば、すでに時空管理局が先に手を打っているだろうし、放置はされなかっただろう。
クロノさんの様子から察するに今回のことはクロノさんの手から離れていたと思う。事件の間だけの短い付き合いだったけど、彼が誠実な性格をしていることは理解できる。今回のようにはやてちゃんを犠牲にするような作戦は立てないだろう。
だが難しいからとさじを投げるわけにはいかない。今回のことを何とかしなければ日本はおろかアメリカ、南米あたりまで迷惑が掛かってしまうのだろうから。いや、本当に映画の中の出来事か、と言いたい。ことが大きすぎて現実味が全くないのだが、起きてしまってから実感したところで遅いのだから。
あ〜でもない、こ〜でもない、と考えながら―――とはいっても、僕の魔法の知識は少ないため、リィンフォースさんやクロノさん、ユーノくんたちの会話と時々、控えめに意見を言うフェイトちゃんの会話を聞いているだけだ。しかし、それも好調というわけではなく、どうやら暗礁に乗り上げたように停滞してしまったようだ。その場にいた全員が何も言えなくなってしまった。
そんな中、すぅ、と前に出てきたのが未だに大人モードになっているなのはちゃんだった。
「………あれを倒せばいいの?」
実に不思議そうに、何でやれるのにやらないの? と当然のことを聞くようになのはちゃんは尋ねてきた。そのことに一番驚いていたのはおそらくクロノさんだろう。できるものやらやっている、とでも言いたげに眉を一瞬だけ細めたが、それでもすぐに難しい顔をして、恐る恐ると言った様子で口を開いた。
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