第四章 『再会』
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き、協力を求めようとした。しかし、いつの間にかそこにはダンテの姿はなくなっていた。全員が辺りを見回すが、ダンテの姿はない。
「悪いな、嬢ちゃんたち!」
すると、彼女らの頭上に浮かぶ宮殿から、ダンテの声が聞こえてきた。見上げると、ダンテは宮殿の端に立っているようだ。
「俺は先に行かせて貰うぜ!」
手あげて別れの挨拶をしたダンテは、そのまま宮殿から飛び降りた。そして空中に現れた空間の裂け目へと、吸い込まれるように消えていった。
*
魔法世界と旧世界が繋がったことで発生した魔力の乱流に吸い込まれた『グレード・パル様号』は、まさに今、魔力乱流を抜けようとしていた。四方八方からの魔力の圧力と岩石の衝突でボロボロになった機体は、もういくばくも飛行出来ないほど損傷していた。
「異界境界突破! 下方、麻帆良学園を目視!」
火を司るクゥァルトゥムにより右腕と身体を両断され、さらに胸に風穴を開けられた茶々丸が、船長のハルナに状況を伝える。切断面から覗くコード や、流れ出ているオイルが痛々しいが、『グレート・パル様号』の姿勢をなんとか水平に保つように茶々丸は懸命に動いていた。
「このままあの大通りに不時着! いける!?」
「大丈夫です! 不時着します!」
ハルナが指示を出し、茶々丸がそれに応える。麻帆良学園の中でも大きな通りに向けて『グレード・パル様号』が下降していく。
「着地まで10秒。衝撃に備えて下さい」
茶々丸が着地までの時間をカウントし、二人は衝撃に備える。
「6……5……4」
限界まで来ていた機体の左翼がもげ、なんとか水平に保っていた機体が傾きはじめる。もはや姿勢を直す事もできず、そのまま着地するしかなかった。
「3……2……1」
次の瞬間、全身を突き抜けるような衝撃が走り、地面と機体が削り合う異音と轟音が耳を突いた。機体はそのまま地面を滑ってゆき、ようやく止まった。船体はもはや飛行不可能なほどボロボロになっていたが、なんとか不時着に成功したようだ。
「ったー。なんとか不時着出来たみたいね」
衝撃で頭を打ったのか、頭を抑えながらハルナが身体を起こした。茶々丸も着地の成功に喜んでいた。
「とりあえず外に出るわ!」
そう言うとハルナは船外へ出るための扉を開けようとする。しかし機体が歪んでいるため、扉の開閉が出来なくなっていた。思いっきり扉を蹴っても、結果は同じだった。
「しかたない。『来れ』」
愛船を壊すのは嫌だったが、外へ出るために仕方なく扉を壊す事にしたようだ。ハルナは自身のアーティファクト『落書帝国』を召喚する。
このアーティファクトは、スケッチブックに書いたものをそのままゴーレムとして生み出すものだ。ハルナ
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