第四章 『再会』
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―」
「“奴ら゛がどんどん涌いて出てくる。イヤってほどな」
ゲーテルの言葉を、それまで興味がなさそうにしていたダンテが奪った。
ゲーテルの言うように、今でも魔界からは魔力だけでなく、障気も大量に流れて来ている。いくら障気に耐性があったとしても、やはり障気は身を蝕んでいく ものである。またここには、障気への耐性がない者もいる。濃い障気に当たりつづけるのは好ましくないどころか危険である。
その上、ダンテの言葉通り、魔界との繋がりが広がれば、魔族、悪魔と呼ばれる者達は容易にこの世界へ流れ込んで来るだろう。それどころか下手をすれば、魔界の一画を支配しているような大悪魔すら出てきかねない。
「つまり私達には時間はない、ということですね?」
刹那が今の状況を一言で表した。崩壊までの時間が少し伸びたからといって、やはり彼女らに許された時間はそう長くはなかった。
「私達の目的は、一人も欠けることなく、全員揃って麻帆良学園に帰ることです。必ず明日菜さんを助け出さなければなりません」
全員が無事に帰ること。それが彼女らの絶対の目的であり、一人でも欠ける事は、あってはならない。明日菜を助けに行くのは、全員にとって当然の事だ。
「だが魔界は、この世界の何倍も危険だぞ? それに私は魔界には行けないからな」
だがエヴァンジェリンから忠告が入った。その上、彼女は魔界へは共に行けないらしい。
「ちょっ! 一番頼りになるあんたが行かないとか有り得ないだろ!」
てっきり一緒に来るものと思っていたらしい千雨が、エヴァンジェリンへ抗議する。
「わ、私に言うな! 原因は馬鹿にかけられた呪いのせいだ! ここに来ているだけでもありがたく思え!」
本来、エヴァンジェリンは、ナギによってかけられた呪いの効力で、学園の外に出ることは出来ない。ここへ来られたのは、この場所が空間的に麻帆良学園と繋がったことで、呪いの精霊が麻帆良学園の一部だと認識したにすぎない。そのため、行動可能な範囲は限られていて、魔界へはほぼ行けないと言っていい。仮に魔界へ行ったとしても、まともに行動出来ないだろう。
「と、とにかく! 神楽坂のやつを助け出したいのなら、魔界へ行く覚悟をしろということだ!」
エヴァンジェリンは強引に話しを戻して、“白き翼“らへ言葉を投げかけた。魔界は、混沌とした無秩序な世界だ。エヴァンジェリンの言う通り、魔界へ足を踏み入れるには、比較にならないほどの覚悟が必要だ。
しかし、彼女らの答え、覚悟は初めから決まっていた。かけがえのない仲間を助けることに躊躇いなど、あるわけがなかった。
「それにダンテさんがいれば心強いです! 是非あなたのお力を! ……ってあれ? ダンテさん?」
刹那がダンテの方を向
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