第四章 『再会』
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何者か知りたいようだった。
だがダンテは一言「ダンテだ」と言うと、ちょうどいい高さの岩に腰掛けた。そしてアルの方へ目線を向け、ようやく口を開いた。
「そいつが俺について知ってるみたいだから、俺じゃなくてそいつに聞いてみたらいいんじゃねぇか?」
ダンテは、自分が何者なのか自分で喋ってもよかったと思っていた。しかし、アルへそれを任せようとしたのは、自身の事について知っている口ぶりをしていたアルが、どれ程自分を知っているのか、どのように認識しているのか、というのを知りたかったからだ。
「チッ、おいアルビオレイ・イマ。貴様こいつの事を知ってるみたいだったな。洗いざらい喋れ」
アルはダンテの方をチラッと見た。先程はダンテが話すように促したが、一応話しても良いか、と伺っているようだ。対してダンテは無言だったが、アルはそれを了承と捉えて話しはじめた。
「彼は2000年程前に、旧世界を魔界の侵略から救った、伝説の魔剣士のご子息です。そして彼自身も、4年前に復活した魔界の帝王を封印したお方です」
それを聞いたエヴァンジェリンは、怪訝な表情を浮かべてダンテを見た。まさか魔帝を再度封印したのが、目の前にいるダンテだとは思ってなかったからだ。
「私も会ったことは無かったが、噂はかねがね耳にしているよ。こちらの世界では有名だからな」
含みを持たせ、少し強調した龍宮真那の言葉にダンテが反応した。いや言葉だけではない。龍宮が放つ気配もあった。
(半分か)
自身と同じ境遇の龍宮に興味を抱いたのか、ダンテはリベリオンを弄る手を止めて、龍宮の顔を見ていた。だがそれは、千雨の言葉で中断される。
「それで、伝説の魔剣士とやらの息子さんが、どうしてこんなとこにいるんだ? たまたま通りがけって事はないだろ?」
当然、通りがけにネギを助け、造物主と戦ったわけではないことぐらい千雨は分かっていた。わざわざ伝説の魔剣士の息子で、魔帝を封印した男がここへきたのだ。何の目的でここにいるのか知りたいし、なにより嫌な予感しかしないからだ。
ダンテがそれに答えようとした。しかし横から入ってきたザジの言葉に、遮られてしまった。
「彼をこの地へ招いたのは私です」
それを聞いたエヴァンジェリンは少し意外そうな反応をした。そしてダンテを呼んだ理由をザジへ問い返す。
「貴様が? では聞くが、なぜあいつをここに呼んだ?」
「彼を呼んだのは、造物主がかの魔帝の復活を計画していたからです。魔帝の復活は私達にとっても厄介な事ですから。もっとも、完全ではありませんでしたが、既に復活は果たしていたようですね」
「まてまてまて! 嫌な予感はしてたが、ひょっとして造物主の他に魔帝とかいうやつも相手にしないといけない、とか言わないだろ
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