暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第二部 『普通』を求めていた、人間ではなくなった少女と人間になりたかったロア
第一章。人喰い村《カーニヴァル》
第一話。人喰い村の噂
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牲になれば噂になるんだろうか?
いや、寧ろ、そういう噂が出たから行方不明になる、だから噂が広まるのか?
噂が先か、事実が先か……。
ああ、もう。ややっこしいなぁ。
モヤモヤしているとキリカが一之江に尋ねていた。

「でも、これって『村系』だね、瑞江ちゃん」

「確実に『村系』ですね」

「なんだ『村系』って」

ゲームとかの系統か?
都市伝説にもそういうジャンルがあったりするのか?

「『村系』の都市伝説っていっぱいあってね? 怖いものがほとんどなんだよ」

「へえー。なんだか、のどかなイメージがあるジャンルに聞こえるけどなぁ」

俺がそう返すと、オカルトマニアな魔女っ子さんは何故か嬉しそうに胸を張った。
そして、人差し指を一本立てて、俺にレクチャーを開始した。

「この村みたいに、入ったら出られなくなっちゃう村から、化け物……人狼みたいなものが出てきて、滅びてしまった村、村人がみんな死人の村、などなど。
色んなパターンがあるのが『村系』都市伝説の面白くて、おっかない所なの」

「へえー」

『村系』の都市伝説には人狼とかも出るのか。
人狼かぁ……リサの奴大丈夫かなぁ。
「ご主人様〜どこですかぁ……ぐすん」とか言って、泣いてないよな?
というか、さっきサイトに気になる情報があったが気のせい……だよな?

「少数の閉鎖的なコミニュティ……そういったものに感じる威圧感や疎外感のせいで、昔から『村』っていうのは恐れられてきたからね。ここで語られている村も、人が減ったり廃村になったりしたから、きっと怖い噂がいくつも立っただろうし」

なるほど。本当のところは単なる過疎化が原因でも、人の噂は色んなものが立つ。その中で、まことしやかに流れたのが『ロア』になっちまったのか。

「この村も、ただ単に『異世界の村』でなくて、人が出られない何かの原因があるに違いないの。
この『語り部』は中に入ってないから、その辺りの情報が一切書かれていないけどね」

「人が出られない何かの原因か」

「その辺りは、噂を調べてみるしかありませんが。情報収集の時間は?」

「多分、放課後に先輩達の話を聞いた後、すぐ出発だろうな」

3人でのんびり情報収集する暇はない……って事か。

「まあ、普通はちょっとこれから様子を見に行こっか、って話になるでしょうね」

「短気な音央(ねお)の性格だと1人でも行くって言い兼ねないね」

そんな事になれば、彼女が行方不明になる確率だってある。
中学時代からの友人を、女性をそんな目に遭わせたくないからね。

「あはっ、それじゃあ私が別働隊になって、色々調べておくよ。
この手の話題を調べるのってとても楽しいからねっ」

朗らかな笑顔で小さなガッツポー
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