第二部 『普通』を求めていた、人間ではなくなった少女と人間になりたかったロア
第一章。人喰い村《カーニヴァル》
第一話。人喰い村の噂
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
牲になれば噂になるんだろうか?
いや、寧ろ、そういう噂が出たから行方不明になる、だから噂が広まるのか?
噂が先か、事実が先か……。
ああ、もう。ややっこしいなぁ。
モヤモヤしているとキリカが一之江に尋ねていた。
「でも、これって『村系』だね、瑞江ちゃん」
「確実に『村系』ですね」
「なんだ『村系』って」
ゲームとかの系統か?
都市伝説にもそういうジャンルがあったりするのか?
「『村系』の都市伝説っていっぱいあってね? 怖いものがほとんどなんだよ」
「へえー。なんだか、のどかなイメージがあるジャンルに聞こえるけどなぁ」
俺がそう返すと、オカルトマニアな魔女っ子さんは何故か嬉しそうに胸を張った。
そして、人差し指を一本立てて、俺にレクチャーを開始した。
「この村みたいに、入ったら出られなくなっちゃう村から、化け物……人狼みたいなものが出てきて、滅びてしまった村、村人がみんな死人の村、などなど。
色んなパターンがあるのが『村系』都市伝説の面白くて、おっかない所なの」
「へえー」
『村系』の都市伝説には人狼とかも出るのか。
人狼かぁ……リサの奴大丈夫かなぁ。
「ご主人様〜どこですかぁ……ぐすん」とか言って、泣いてないよな?
というか、さっきサイトに気になる情報があったが気のせい……だよな?
「少数の閉鎖的なコミニュティ……そういったものに感じる威圧感や疎外感のせいで、昔から『村』っていうのは恐れられてきたからね。ここで語られている村も、人が減ったり廃村になったりしたから、きっと怖い噂がいくつも立っただろうし」
なるほど。本当のところは単なる過疎化が原因でも、人の噂は色んなものが立つ。その中で、まことしやかに流れたのが『ロア』になっちまったのか。
「この村も、ただ単に『異世界の村』でなくて、人が出られない何かの原因があるに違いないの。
この『語り部』は中に入ってないから、その辺りの情報が一切書かれていないけどね」
「人が出られない何かの原因か」
「その辺りは、噂を調べてみるしかありませんが。情報収集の時間は?」
「多分、放課後に先輩達の話を聞いた後、すぐ出発だろうな」
3人でのんびり情報収集する暇はない……って事か。
「まあ、普通はちょっとこれから様子を見に行こっか、って話になるでしょうね」
「短気な音央の性格だと1人でも行くって言い兼ねないね」
そんな事になれば、彼女が行方不明になる確率だってある。
中学時代からの友人を、女性をそんな目に遭わせたくないからね。
「あはっ、それじゃあ私が別働隊になって、色々調べておくよ。
この手の話題を調べるのってとても楽しいからねっ」
朗らかな笑顔で小さなガッツポー
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ