暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第二部 『普通』を求めていた、人間ではなくなった少女と人間になりたかったロア
第一章。人喰い村《カーニヴァル》
第一話。人喰い村の噂
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
えてしまう!
そんな神隠しみたいな事件が必ず起きるテーマパークがあるんですよ。
そう必ずです。
私も半信半疑だったんですが、私の友達は噂通り消えてしまいまして。
もう信じざるを得ないかなー、って思いました。
そこは『ワンダーパーク』っていう少し寂れた遊園地なんですけどね。
ウチの近所にある山にあって、でっかい観覧車が見えるから町の人のほとんどが知っているテーマパークです。
その入り口は無人ゲートになっているんですけど、丁度日没の時間ピッタリに入ると、いきなり異世界にある村に入ってしまうんです。
元々、昔、そこに村があって、廃村になってたんですけど。
時空みたいなものが繋がってしまうのか……外で見てる私の前で、友達がゲートの向こうにあるその『村』に入ってしまったんです。
そして、その時。私は見てしまったのです。
ゲートの向こうにある村。その村の中を駆ける……
金色に輝く、獣の姿を。
そう、ゲートのこちら側からも、その村は見えていたんですよ?

……その村に迷い込んだ人は二度と出ることは出来ないらしいですね。

あれからもう、結構な月日が経ちましたけど、私の友達は帰ってきません。
風の噂で聞いたんですが、その村ではかつて『神隠し』があったらしくて。
それで村の人々が一斉にいなくなってしまったとか、なんとか。
まるで、村そのものが村人を食べてしまったみたいですね。
『ワンダーパーク』という寂れたテーマパークがあったら、日没と同時に入ってしまうと、神隠しに遭ってしまいますよ。
そうすると、貴方も『人喰い村』に食べられてしまい、二度と出る事が出来ないかもしれません』


「ワンダーパークって、堺山にある『堺山ワンダーパーク』の事か?」

「町の人のほとんどが知っているって書いてある以上、その通りでしょうね」

なるほど、な。そんな所まで事実に基づいて書いたりするのか。このサイトは。

「隣町在住の私でさえ知っているテーマパークですから。
しかし、あそこにそんな都市伝説があったとは驚きでした」

一之江でも知らない都市伝説。
やっぱり都市伝説(ロア)っていうのはかなりの数があるようだ。

「タイミングがシビアなのかもね。『日没』って言われても、太陽がピッタリ沈む時間を測るのなんて難しいわけだし。もしくは、気象庁辺りかな? が発表している時間、という意味なのかもしれないし」

サイトを検索したキリカは、その発生条件を気にして首を傾げていた。

確かに日没辺りとか、アバウトな時間に皆んな行方不明になっていたら、もっと大量の被害者が出て有名になっていたはずだ。

「ふむ、行方不明者がホイホイ出まくってるわけではないんだな」

噂になるベースっていうのも曖昧なんだなぁ。
一体何人が犠
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ