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101番目の舶ィ語
第二部 『普通』を求めていた、人間ではなくなった少女と人間になりたかったロア
第一章。人喰い村《カーニヴァル》
第一話。人喰い村の噂
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「先輩に話を聞く前に何か出来る事ってあんのかな?」

いきなり神隠しと遭遇とかなったら洒落にならんぞ。
この中で俺が一番弱いんだからな。
なので遭遇する前に出来る事があるのかを聞くと______。

「まぁ、基本は予習と復習ですね」

一之江は懐から自分のDフォンを取り出しながら答えた。

「『8番目のセカイ』には、実際にあった都市伝説が記載されますから」

「ああ、もしかして解決方法とかも載っているのか?」

「いえ、ある場合もありますが、ほとんどは『都市伝説』の形を守っています」

「つまり、完全には解決しない感じに語られているって事だな。うーむ」

自分のDフォンを取り出してみる。
以前はサイト接続は出来なかったが、あの日(・・・)、ヤシロちゃんと会ってからは自由にサイトを閲覧出来るようになった。
とはいっても8番目のセカイにしか繋がらないんだけどな。
出来る事ならあまり都市伝説とかとは関わりたくない。
だが、現状は間逆だ。
関わりたくないのに、関わらずにはいられなくなっている。
普通、ゲームとかでは、序盤は弱いヤツと戦って段々と強くなっていくはずだろう?
なのに、何故か俺はいきなり強い仲間を手にして強敵と戦っていく羽目になっているわけだ。
昔、シャーロックが俺やアリアにやった武力の急騰(パワーインフレ)の手法を使って強くさせられているかのように。

「解決しちゃった! っていう都市伝説は載らないんだよ。ほとんどの『ロア』がそれを知られちゃうと消えちゃうからね」

キリカも自分のDフォンを取り出して、早速検索を開始していた。
その手元が凄い速度で動くのを見て『慣れてるな』とも、『今時の女子高生らしいな』とか、『情報怪盗とかって呼ばれてそうだな』なんて思ってしまう。
その慣れた手つきなのを見て安心したのか、一之江もDフォンを懐に仕舞い込んだ。

「『8番目のセカイ』に載るのは『人物紹介』みたいなものって事です。
どんな都市伝説として広がっているのか、それが判明するようになっています」

「なるほどな」

と思ったが、ふと気になった事がある。
それは、キリカとの戦いでキリカが俺に言ったセリフだ。

「あれ? でもキリカは俺の能力を知っていたよな?
『8番目のセカイ』に載っているとか言っていたが……」

「え? いつですか?」

「キリカとの戦いの時。一之江が来る前に」

「あ……。そ、そんな事言ったけえー。
あははは……覚えてないなぁ」

キリカはバツが悪そうな顔をして、愛想笑いを始めた。
これは、問い詰めても口は割らないだろうな。

「まあ、いいか。
そのうち理由も解るだろうしな」

「ええ。今、問い詰めてもそれが本当の答えとは
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