暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
戦場縦断
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いくら終末的世界観とはいえ、街がある限り何らかの自治機構がないと成立しない。まぁ、その影響力は大小あるだろうが。

人類が宇宙に進出し、その後大規模な宇宙戦争が勃発。文明が衰退し残った人々は大戦で滅びた地球に宇宙移民船団で戻り過去の技術遺産に頼って過ごしている、というGGO世界観の中。移民団を率いていた船長の子孫という設定の政治機構の長達は、ある時はクエストやイベントの依頼人、ある時は標的としてところどころに出てくるらしい。現物をナマで見たことはないらしいが。

そして、結構なベテランプレイヤーであるミナとリラが見たことがないほど表に出てこない彼らが唯一顔を見せる機会。それがこの船上パーティーなのではないだろうか。

そんな貴重な機会に起こったシージャック。

必然、目的は一つに絞られてくる。

さすがに、首都であるSBCグロッケンの長達全員がここにいるとは考えにくい。パーティーに招かれたのはおそらく彼らの縁者か、幹部クラス達だろう。

しかし、そんな彼らも役には立つ。

そう、人質という名の脅迫材料くらいには。

―――まったく、込み入った設定だなぁ!

半ばキレ気味になりながら、少女は濡れているかのような黒髪を宙空になびかせる。飛ぶように後方に流れていく明かりが、時折光を跳ね返してキラキラと輝いた。

だが、とフル回転する頭は思考を吐き出す。

パーティー会場にいたNPCは、ざっと三桁は超えていた。いくらレア度の高い銃器で武装していても、それらすべてを管理し、場合によって一気に抹殺するのは労力がいる作業だと思う。とすると、何か決定的なものがあるはず。

キーワードは、下っ端が言っていた『例のもの』という単語。

こう言っては何だが、嫌な感じがビシバシ漂ってくる。

首を巡らせて、ユウキは双子ちゃんの大丈夫なほうに視線を合わせた。

「……リラちゃん、この局面で多人数をほぼ同時に処分できる手段って何だと思う?」

「――――十中八九爆発物。規模はちょっと分からないけど、見せしめと考えれば相当でっかいと思うよ」

「どうして?」

「だってこんなに大きな船だよ?沈めるのにどれくらい掛かると思ってるの」

ハテナと首を傾げながら少女はひた走る。

「沈める必要があるの?」

「……見せしめって言ったでしょ」

答えたのは隣の少年だ。

「SBCグロッケンから見えるくらいの規模でフッ飛ばせば、『もしかしたら生き残ってるかも』的な希望も潰せるでしょ」

「な、なるほど……」

あんまり知りたくないような裏事情だった。

「じゃ、じゃあ――――」

「シッ!」

発言しようとしたユウキを、しかしリラが鋭い呼気で妨げる。

見ると、大きな扉に張り付いた少
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