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立派な魔法使い 偉大な悪魔
第三章 『イレギュラー』
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、と言っているようである。
 それに対してダンテは一度ため息を付き、一瞬に駆け出した。同時に造物主が黒い影槍を打ち出す。造物主の操る影槍は速い。だがダンテは紙一重でかわし、リベリオンでいなしていく。

「Too Easy!」

 軽口混じりに攻撃をアクロバチックにかわす姿は、一見ふざけているようにも見える。しかしそれには無駄が無い。洗練されたその動きはもはや踊っているようであった。
 華麗に避ける最中、ダンテはホルスターからアイボリーを引き抜き造物主へと連射する。
 連射性を重視したアイボリーから数多の弾丸が吐き出された。ハンドガンの連射とは思えないような数の弾丸が造物主へ迫る。それを造物主はまだ残っている手をかざして簡易な障壁を作って受け止めた。
 しかしその僅かな隙にダンテは造物主を間合いに捉えていた。
 逆手に持ち替えていたダンテは、真紅の魔力がほとばしるリベリオンを振り抜く。魔力によって地を這うように飛ばされた斬撃が、ところどころに残っていた岩場を削り、融けだした溶岩を巻き上げ、造物主を直撃した。

「おいおい、もう終わりじゃないよな?」

 バックステップで離れたダンテが両手を広げて大げさにリアクションをする。もっとも、ダンテは分かっていてそう言った。このような小手調べ程度の攻撃ではやられる者ではないと。
 先の造物主の腕を切れたのは、ネギがすでに障壁を突破していたこと、不意打ちであったこと、そしてリベリオンが強力な魔剣であったことが大きいだろう。
 事実、土煙から姿を見せた造物主に外傷はなかった。それどころかあの強固な多重障壁が復活していた。それを見てダンテはニヤリと口角を上げる。

「いいね。楽しめそうだ」 
「おい! 何者なんだよあいつ!」

 千雨が誰にでもなく尋ねた。突然現れた男が造物主と戦い始めたのだ。そう思うのが当然だろう。もっともその状況から、その突然現れた男は“完全なる世界”の味方ではなさそうだ、と一同は察していた。
 しかしその男の正体について、彼らは誰もそれに答えられなかった。

「彼は伝説の英雄の息子さ。あの少年と同じようにね」

 不意に聞こえたその声に、全員が振り向いた。そこにはかつてナギ・スプリングフィールドが倒したはずの、初代アーウェルンクスシリーズであるプリームムがいた。またその側には(ニィ)という長髪の少女もいた。彼らは造物主によって生み出された使徒と呼ばれる者たちだ。造物主はダンテと戦っている最中に、使徒達を創造していたのである。
 思わぬ敵襲に“白き(アラアルバ)”ら一同達は怯んでしまった。そこへ一筋の雷が走り、佐倉メイを直撃した。それはプリームムが無詠唱で放った電撃だった。そこへすかさず弐が赤黒く渦巻く炎を放つ。無詠唱とは思えない威力の炎が“白き翼”ら
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