暁 〜小説投稿サイト〜
立派な魔法使い 偉大な悪魔
Prologue B
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
とはどこに行けば遊べるんだ?」

 手にある写真をヒラヒラと振ってダンテが尋ねる。エンツォはカバンから一枚の書類を取り出してダンテの前に置いた。そして懐から葉巻も取り出した。

「日本の麻帆良学園ってとこだな。詳しい場所はいつもどおりそれ見てくれ。報酬は――」
「報酬はいくらでも良い。言い値でもな」

 言葉を遮ったダンテは手にしていた写真と書類をコートにしまい、立ち上がった。
 そして傍らにあった長剣――リベリオンを担ぎ、後ろにあるギターケースに入れる。さらに机に置かれていた二丁拳銃――エボニーとアイボリーを手に取る。軽く銃を手で回してから腰のホルスターに仕舞い、そしてエンツォの方へ近づいていく。
 エンツォは葉巻をくわえて火をつけようとしていた。

「俺の近くは禁煙席だ」

 ダンテは葉巻をつまみ上げてエンツォの喫煙を止めた。ダンテは煙草や葉巻が嫌いだった。彼曰く、自分で自分の肺をヤニ漬けにするのが楽しいか? ということらしい。つまみ上げた葉巻をエンツォへ投げ返した。

「ああすまねぇ、そういや嫌いだったな」

 そう言うと受け取った葉巻を元に戻す。

「ところでこないだ金貸してたよな? そろそろ返し――」

 エンツォは借金の催促をしようと顔を上げる。しかしそこには片手を振り「アディオス」という挨拶と共に事務所から出て行くダンテの背中が見えるだけだった。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ