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ドリトル先生と学園の動物達
第四幕その十
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「それって」
「そうかな、やっぱり」
「だって和菓子だと極端に甘くはね」
「出来ないからね」
「洋菓子だと出来るからね」
 和菓子はどうしてもそれが出来ないというのです、甘いことは甘いのですが。
「それがね」
「だからだね」
「お茶は紅茶にした方がいいかな」
「そうだね、お抹茶じゃなくてね」
「そっちでね」
 飲むお茶の種類のこともお話するのでした。
「それじゃあそういうことでね」
「うん、それでね」
 こうお話してなのでした、そのうえで。 
 先生は診察を続けお昼を食べて午後の診察が一段落してからでした、そのうえで日笠さんからお菓子を頂きました。そこでなのでした。
 動物達がです、先生にここぞとばかりに言いました。
「ほら、今ね」
「今声をかけるんだよ」
「日笠さんも食べるっていうし」
「それじゃあね」
「いいよね」
「今からね」
 絶対に、という口調での言葉でした。
「日笠さんに声かけて」
「ご一緒にどうですかって」
「是非ね」
「ここでよ」
「声をかけるんだよ」
「そうすればいいんだね」
 先生は動物達の言葉に応えます、先生とこの子達のやり取りは先生とトミー、王子以外にはただ鳴いているだけにしか聞こえていません。言葉がわからないからです。
 ですが先生にはわかります、それで言うのでした。
「声をかければ」
「そう、いいね」
「一言でいいんだよ」
「それさえ言えば」
「今からね」
「それじゃあ」
 先生は皆に言われてからでした、そのうえで。
 日笠さんにお顔を戻してです、こう誘いをかけました。
「今からご一緒にどうですか?」
「お茶をですね」
「はい、お茶と一緒に楽しもうと思いまして」
 日笠さんが作って再現してくれたそのお菓子をというのです。
「ティータイムは皆で楽しむものなので」
「そうですか、お茶を」
「どうでしょうか」
「それでは」
 日笠さんもでした、先生のお誘いにです。
 笑顔で応えてなのでした、こう返しました。
「お願いします」
「はい、それでは」
「やれやれだね」
「やっとここまでこぎつけたよ」 
 動物達もほっとしています。
「本当に先生ときたら」
「こういうことは全然駄目だから」
「骨が折れるわ、私たちも」
「やれやれだよ」 
 全く以て、という口調で皆言うのでした。
「苦労するわ」
「本当にイタリア人ならね」
「こんな苦労しないのに」
「先生がイタリア人なら」
「そう思うことしきりだよ」
「イタリア人ねえ」 
 トミーも動物達の言葉を聞いて小さく何度か頷きつつ言います。
「確かに先生にあの人達みたいな積極さがあればね」
「今頃ね」
「そっちでも幸せになっていたわよ」
「それが先生ときたら」

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