暁 〜小説投稿サイト〜
炎髪灼眼の討ち手と錬鉄の魔術師
”狩人”フリアグネ編
七章 「夜に二人」
[13/13]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
りをした所で何にもならないし、武器は悪くないんだ。問題はそれを扱う人間なんだし。
 けど、これ以上ないって位あからさまな意思表示だなぁ。
 まぁ、気持ちは分からなくもない。故意じゃないとはいえ、俺が悪いんだし。
 だが、許せない事もある。
「全く、床に刀を突き立てるなよ」
 襖の時もそうだったけど、シャナの常識ってのが心配になる。
 大太刀に手を掛ける。床から引き抜こうとして――、やっぱり辞めておいた。
 床から抜かれた贄殿遮那を見て、何をするか分からないしな。だが、良い機会だしこの大太刀を解析しておこう。それ位はさせてもらった所でバチは当たらないだろうし。
 恐らくこの大太刀は宝具だろう。あの時のフリアグネの物言いを考えても普通の刀剣とは考えられない。
 何より、この俺が、一目見ただけでただの刀とは思えなかった。身体を斬られた時に、固有結界が暴走したのも気になる。 
 何より彼女を『シャナ』と名付ける時に、刀の印象を強かった理由の一つでもあったしな。それ程までにこの太刀は、人を魅せる物を持っていた。
 この世界での宝具の在り方が分かるかもしれないし、もしかしたら複製も可能かもしれない。結界内に貯蔵している武器量がそのまま戦力を表す俺にとって、武器は一本でも多い方が良い。
 寝ているシャナを起こさないように小声で呟く。
「――同調開始」
 既に一度、解析の際に結界が暴走している。あの時は意識していなかったとはいえ、二度目がないとも限らない。いつもよりも慎重に時間をかけて解析をする。

 よし――――、解析終了。

 大太刀から手を離し、外れたままの襖を直す。ついでに押入れからタオルケットを引っ張り出し、そのまま、ベッドと反対側の壁際に寝転ぶ。
 タオルケットに身を包み、呟く。
「―――次は、死ぬかもな」
 もっとも、今回は完全に俺の不注意が原因だ。なら、俺が注意をしておけば次なんてある訳がないんだが。
「当然だな」
 どこからか、そんなアラストールがそう答えた気がした………。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ