賢者の石
始まりの日
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アッシュは、いつものように本を読んでいた。その本は童話集であり、幼いながらアッシュはこの話に出てくるような『英雄』や『お姫様』はいるわけがないと思っていた。
そんな時、部屋を叩く音が聞こえる。
「アッシュ、あなたにお客さん。学校の方ですって」
『学校』の言葉に疑問を感じながら、いつものように人の良いを微笑みを浮かべて扉を開ける。そこにいたのは、見慣れた院長と共に黒いローブらしきものを着た女性が立っていた。
「申し訳ありません。アッシュと二人きりにしていただけませんか」
「分かりました」
女性だけが部屋に入った。
「初めまして、アッシュ・グレドール。ミネルバ・マクゴナガルと言います」
女性は椅子に座り、アッシュはベッドに座る。そして、女性を見る。こういうタイプには礼儀正しくしなきゃいけないみたいだな。と思い、敬語を使う。
「あの人が呼んだんですか?」
「いいえ、そうではありません。」
「じゃあ、なんで」
「貴方の入学は生まれた時から決まっていたんです」
そう言い、マクゴナグルはローブの中から一枚の手紙を取り出し、アッシュに手渡す。
『ロンドン ミッチュリー孤児院 302号室
アッシュ・グレドール様』
自分の名前が書いてあるを確認し、手紙中の紙を取り出す。そこには、
『親愛なるグラード殿
このたびホグワーツ魔術魔法学校にめでたく入学を許可されましたこと、心よりお喜び申し上げます。教科書並びに必要な教材のリストの同封いたします。新学期は9月1日に始まります。
敬具
副校長ミネルバ・マクゴナル』
と書いてあった。
「ホグワーツ魔術魔法学校?」
「ええ。貴方は魔法使いです」
驚いて言葉が出ないアッシュは心の中で疑問が晴れた気がした。幼い頃から周りと違う『異質』であることを感じていたこと。心のどこかで『ここは自分の居場所じゃない』と思っていたことの全ての説明がつく。
あぁ、俺は魔法使いだったのか。
「納得したようですね」
「あの、マクゴナガル先生。推測ですけど、魔法使いの存在はこっちの世界、僕が居る世界では秘密にされているんではないですか?」
「ええ、そうです。マグル、魔法使いではない人物を事を言うのですが、マグルの人間には秘密にしています」
「じゃあ、この教材はどこで買うんですか?」
と二枚目の紙を広げて言った。そこにはロンドンで買えそうない物ばかりが書いてあった。
「『漏れ鍋』という店に行きます」
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