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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百八幕 「沈め、水底へ」
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の「白騎士事件」に類似する戦いだった。
左右に突き出した両腕の拳銃『ネオナンブ』が火を噴く。連射性ならもっと相応しい銃があったが、相手は的の小さいハイマニューバミサイル。ならばリコイルが少ない拳銃による狙い撃ちの方が確実。矢継ぎ早に放たれる弾丸がラファールRCUの正面から迫るミサイルを7発叩き落とす。
そして、発射準備完了からギリギリまで発射を待って引きつけたミサイルへ、クラスターAP弾『グレール・タンペット』を一斉に解き放つ。荒れ狂う面の暴力が、14発のミサイルを叩き落とした。驚くべきことに、その方向に撃ち漏らしはない。シャルによる勘の弾道予測が全てのミサイルを捉えていた。
そして残る8発のミサイルが、シャルの展開した複合障壁『ガーデン・カーテン』に当たって砕け散った。デュノア社の虎の子であるCUに内蔵された試作第三世代兵装、その防御力は非公式ではあるがこの戦闘によって証明された。
全ミサイルの無力化に成功。白騎士に比べれば手際は悪いが、それでも十分すぎる力を見せつけたラファールとシャルは、爆発の煙の中から無事に飛翔する紅椿の姿を見送った。
「恩に着る、シャルロット!」
「お礼はいいから急いでッ!!」
「分かっている!!」
――カウンター残り5秒。
ゴーストの捨て身の作戦を破り、紅椿が飛翔する。
限界まで酷使したスラスタとウィングがぎちぎちと嫌な悲鳴を上げるが、それでも決して壊れないのはあの姉が本気で作ったISだから。だからこそこのような無茶も任せられる。
「もう少し、もう少しだ……!」
なおも全てのスラスターを噴射させ、レーザーを放って逃れようと暴れるゴーストを強制的に押し上げた箒は――最後の力を振り絞ってセシリアの構える『ヴァリスタ』の近くまで接近する。
「チャージは終わっていますわ!早くッ!!」
カウンター残り1秒に到ったその瞬間、箒は『
隼風
(
はやかせ
)
』と共にゴーストのどてっぱらを『ヴァリスタ』の銃口へと押し当てた。
「これで、終わりだ……亡霊よ、去れぇぇぇぇーーーーーッ!!!」
「
攻城兵器
(
ヴァリスタ
)
……ファイアッ!!」
チャージを終えたその銃口を、引き絞る。
ヴァリスタの銃口から目を覆わんばかりの極光が溢れだす。
最早ゴーストにそこから逃れる術は失われ――光が直撃。
辛うじてその機能を守護していたゴーストのバリアと極光が衝突し、激しい火花を散らす。
これでバリアとの競り合いに敗北すれば、これ以上こちら側に切れる手がない。拮抗状態では駄目なのだ。貫かなければ意味がない。
「くぅぅぅぅ……この程度のバリアも抜けなくて攻城兵器など、名前が泣くわよッ!?」
口調が荒くなるのも忘れて己が武器を叱責したセシリアは、使用者たる自分もとスラスタ出
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