プロローグ (視点シフト)
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怪しい人が道を歩いている
目の下には遠目でも分かるほどの深いクマがあり足取りも怪しい。ジーパンにシャツ、背負ったリュックサックからおそらくは私と同じ大学生なのだろう。しかし何だあの見てくれは。どこぞの不審者のほうがよっぽど世間に溶け込んでいるのではないだろうか・・・
「 ・・・何見てるの? 」
隣からの声に、意識が帰ってくる
「 ううん、何でもない 」
そう答えると私は目的地へ足を早めた
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「 なんか最近つまんないなぁー・・・ 」
テーブル席で揚げたてのポテトをつまみながらそんな言葉がこぼれる
「 ? つまんでるよ? 」
いや、そうじゃなくて・・・
「 結は人生つまんなくないの? 」
「 はい、いただきましたー 優等生ランさんによる自慢話 」
「 ・・・いや、違うけど 」
「 違わないよ! 私なんか大学の課題こなすだけで精一杯なのに
ランちゃんは出来ない人間の気持ちをもっと理解するべきだと思うよ!
だから課題手伝ってください!! 」
「 それはそれで幸せなのかもね・・・ 」
最後の言葉を完全にスルーした私に不満があるのか、結はなにか言いたげな表情をしている。ちなみにというかなんというか、私と結は同い年で大学の学科も一緒。そしてもちろん課題も同じはずなんだが結は手際が悪いのか頭が悪いのか、いつも期限ギリギリに私を呼び出して「 教えて下さい師匠! 」・・・と助力を求めるのだ。手伝ったことは一度も無いが、何かしら奢ってくれるので来ない理由もない。
・・・私に友達がいないから気を使ってくれてるのかと最初は勘ぐっていたが、ほんとに助けて欲しいだけらしい。いい子だ。この子はいい子なのだ
というわけで、15時の提出期限に向けて午前の講義を自主休講して唯一の友人の為に時間を割いているのである。ちなみに今日の報酬はポテトLサイズで、既に半分ほどが私の胃袋に納まっている。今頃は胃液によって十分に分解され、腸にまで到達しているのかもしれない。
ここまでくれば察してもらえるとは思うが一応言っておく
私の課題はとっくに終わっている
・・・だからヒマだ
「 そういえばさっきの店員さんかっこよかったね! 」
「 そうね、ただそんなことは課題を終わらせてから考えようね? 」
「 ちょ、何で不機嫌なの? 」
「 ヒマなの 」
「 ・・・だったら手伝っ 」
「 まだ終わらないの? 」
「 鬼か!! 私は褒められて伸びるタイプなの! だから褒めて! 」
「 結は可愛いよ、さっきの店員にメアドを渡せば今日中に返事が返ってくること
間違いなしだ。もしかしたら電
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